2015年12月29日~2016年1月4日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
読者の皆様、新年、明けましておめでとうございます。
2016年も毎週、シリコンバレーの盟主であり世界的に重要な企業である「Apple」の動向をまとめながら、テクノロジ業界や世界経済を読み取って行ければと思います。引き続きご愛読のほど、よろしくお願いします。
日本を始めとするアジア市場では1月4日に大発会が行われたが、日本の株式市場平均は500円以上の下落。上海市場では7%以上の下落となり、2016年から導入されたサーキットブレーカーが発動し、取引が停止される自体となった。中国の指標の悪化と、サウジアラビアとイランの断行など、国際情勢も不安定だ。
そんな中、テクノロジ業界の注目は、米国・ラスベガスで開催される世界最大の家電展示会、CES 2016に注目が集まっている。CESへの注目が集まりそうになるとAppleに関する「大型の噂」が流れてくるのが毎年の様式美ともなっており、今年の場合はiPhoneに関する話題が流れてきた。
CNETではまだ記事になっていないが、2016年2月に4インチサイズのiPhoneの登場に関する噂が登場した。これまで、3月のイベントで発表されるのではないかとされてきたこのデバイスに対する期待は、米国にも20%程度いる「4インチサイズを好むユーザー」と、より安い価格でiPhoneの品質を求める新興国のユーザーがターゲットで、iPhone 5cの失敗を踏まえ、ボディの材質からプロセッサの性能に至るまで、iPhone 6sに準ずるものになるとみられている。
例年、Appleの発表は4カ月ごとに行われてきた。3月の新製品発表会、6月のWWDCの基調講演、そして9月のiPhoneを中心とした新製品発表会の3回だ。もちろんこれ以外にも製品の小幅な刷新や、発表済み製品の発売などのタイミングが用意されている。
この3回のイベントに、MacBook、MacBook Air、MacBook Pro、iMac、iPhone、iPad Air、iPad Pro、iOS、OS Xといった主力製品が年次更新されていく。
登場したばかりのMacBookやiPad Pro、iPad Air 2、そして長らく形を変えていないiMacについては、プロセッサやグラフィックスの刷新によるマイナーチェンジが行われるだろう。
一方、2015年の刷新で小幅な変更に留まったMacBook Airと2012年から同じデザインで継続してきたMacBook Proは、ラインアップの統合を含むフルモデルチェンジの可能性が残る。また、iPhoneは、2016年にデザイン変更を伴うモデルチェンジが予測できる。Apple Watchについては、その製品の性格上、全く異なるデザインを採用しても驚きはない。
個人的に注目しているのは、9.7インチモデルのiPad Airシリーズの進化だ。これまで通りスタンダードなタブレットとしての存在を貫くのか、iPad Proの小型版というポジションを登場させるのか。個人的には、Apple Pencilをサポートする9.7インチタブレットは、非常に魅力を放つと考えている。
またiPhoneについては、おそらくより薄型化を推し進め、Androidスマートフォンで遅れている防水性能、無接点充電といったスペック面でのキャッチアップが行われるのかが噂の焦点だ。韓国Samsung、LGは自社のスマートフォンで採用しているより薄型化が可能とされるディスプレイ「有機EL」を、Appleから受注したという報道もあった。
ピークの性能で競り負けないスペックを誇りながらスペック勝負をしない、そんなAppleらしい戦略が今年も見られることになるのではないだろうか。
サービス面では、Apple Payの拡大が引き続き行われていく。日本へは、少なくとも2020年のオリンピック前までには導入したいと考えているはずだ。中国でのUnion Payのサポートが、世界でのApple Pay普及を加速させるのか。あるいはカナダ、オーストラリアで見せたAmerican Expressとの提携を軸にした展開が早いのか注目している。
アップルの2016年–期待される製品やサービスの強化(1/4)Appleに限らず、世界的なテクノロジ企業が活用しているのが、アイルランドの子会社への利益集約だ。これによって法人税を安く済ませるしくみを構築できる。Appleはイタリア当局との間での和解で、イタリア政府に3億5000万ドルを支払うことに同意した。
この問題は2012年に、Appleの本国でもある米国議会でも指摘されてきた。2011年当時、220億ドルの利益を上げていたにもかかわらず、1000万ドルの税金をアイルランドで納めるだけで済ませていたという。これに対し、AppleのTim Cook CEOは「政治的な中傷」とした上で、税法が時代遅れであるとの批判をしている。
FacebookやGoogleといったテクノロジ企業、そしてStarbucksも含む世界的にサービスを展開する企業ほど、こうした税法に関する工夫を行っている傾向にある。アイルランドやバミューダに法人を作って技術や知財移転を行い、その他の国の法人が大きな金額の知財使用料を支払うという方式だ。
Appleの場合、莫大な利益を米国に戻さず、その国にとどめて資金移転に対する税金も回避しているとされている。米国の利上げに伴うマネー逆流が考えられている2016年、各国の税収確保とグローバル企業との摩擦は拡大していくことも予測される。
アップル、租税回避問題でイタリア当局と和解か(1/4)筆者が担当したAppleの振り返り記事。5つのポイントで2015年のAppleを振り返っている。なんと言ってもiPadのテコ入れの兆しがiPad Proによってつかめたのかどうかに注目した。iPhoneについては、2015年の販売拡大の勢いが予想以上であったことから、2016年は4000万台程度の堅調な増加を維持できるかどうかに注目だ。
ハードウェア以外では、エンタープライズと、エンターテインメント、2つの「エンター」も面白い展開が望めるのではないかと考えている。
アップルの2015年を振り返る–iPhoneの成長力、相次いだ新製品(12/29)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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