新経済連盟は、失敗について学び、起業と経営のヒントとする「失敗力カンファレンス2015」を12月15日に開催した。
開催にあたり、同連盟の代表理事を務める、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「ビジネスは挑戦の連続。挑戦がなければ成功はしない。失敗を恐れず、挑戦を賞賛する空気を作りたい。私たちは失敗は”Faire”ではなく”Learning Experience”と考えており、失敗を良い経験と捉えてもらいたい」と開会の挨拶を行った。
「Like a rolling stone 転がり続けろ」と題したセッションでは、Klab代表取締役社長CEOの真田哲弥氏、ドリコム代表取締役社長の内藤裕紀氏、モデレーターにクラウドワークス代表取締役社長兼CEOの吉田浩一郎氏が登壇した。
セッションでは、真田氏と内藤氏に「最大の失敗とは」と投げかけた吉田氏。真田氏は「資本政策」、内藤氏は「双子の赤字」と答えた。
真田氏は19歳から起業家として活動している。サイバードやKlabといった会社を立ち上げながら、いまだリカバリーできないと語ったのは、ケイ・ラボラトリー(現、Klab)設立時の資本政策だ。当時サイバードの副社長だった真田氏は、サイバードのR&D部門の子会社で、モバイルアプリ開発を主軸としたケイ・ラボラトリーを2000年に設立。
サイバード退職後同社社長に就任した真田氏だったが、設立がサイバードの100%子会社だったために真田氏自身の持ち株がほとんどない状況だった。その後、個人資産で自社株を買い増しするも事業として黒字がでてきたために、買い増しをしても自身の持ち株比率が上がらないジレンマに陥っていた。
「自分で会社を大きくしようとすればするほど、自分の個人資産では追いつかず、持ち株比率が上がらない。なんとか努力して上場させたものの、それまで自身で会社を設立してビジネスをしてきたゆえに、他人がほとんどを所有する株式会社のビジネスをするモチベーションがわかず、不遇の時期を過ごしてきた。最初の資本政策を間違えたせいで多くの時間を過ごした中だるみの期間だった」(真田氏)
経営と持ち株比率のジレンマに陥りながら、それでも上場にこぎつけたのは仲間や出資者の恩義に報いるためと話す真田氏。しかし、ビジネスのモチベーションを高めるためにも資本政策を最初に間違えると取り返しのつかない失敗となると話した。
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