Barack Obama米大統領が、イスラム過激派組織「ISIS」の打倒に向けて、大手ソーシャルメディアに協力を呼びかけている。
「私はハイテク企業と法執行機関のトップに対し、テロリストがテクノロジを利用して法の網を逃れることを、これまで以上に困難にするよう要請していく」と、Obama大統領は米国時間12月6日夜のテレビ演説で述べ、ISIS(Islamic State in Iraq and Syriaの略。別名ISILまたはIS)を打倒するための戦略について語った。カリフォルニア州サンバーナーディーノでは先週、ISISが関連しているとみられる銃乱射事件で14人が死亡しており、大統領はこの演説で、今後同様の攻撃を防ぐための具体的な取り組みを説明した。
しかし、Facebook、Twitter、Googleなどのテクノロジ大手はすでに、彼らが公に認めている以上に欧米政府への協力を行っており、それに対する懸念が持ち上がっている。Reutersが匿名の元従業員の話として報じたところによると、テクノロジ大手は、自分たちの実際の協力レベルが明らかになれば、他の国々からの要求が拡大し、また政府の圧力に屈していると見られることを懸念しているという。
Facebook、Twitter、Googleの3社はいずれも、自社のさまざまなネットワーク上におけるヘイトスピーチやテロ活動に対する明確なポリシーを定めているが、政府の要請に従いつつ、ユーザーのプライバシーと言論の自由を守ることに関しては、微妙な線引きをしている。
Obama政権は数日中にもテクノロジ各社と会談を持ち、「ソーシャルメディアがテロリズム推進のために積極的かつ戦略的に利用されていると考えられるケースについて、理解をより明確にする」意向だと、ホワイトハウス関係者は6日、Reutersの取材に対して述べている。具体的には、ソーシャルサイト上でテロ行為が積極的に計画された場合の対策を講じたい考えだ。また、Facebook、Twitter、Googleの3社は3日、フランス首相および欧州委員会(EC)の関係者と会談し、Obama政権と同様の要請を受けたとReutersは報じている。
ソーシャルネットワーク各社は、裁判所命令がないかぎり、市民の要請より政府の要請を優先することはないと述べている。しかし、Reutersが情報筋の話として報じたところによると、政府関係者がソーシャルネットワークと非公式かつ直接的にコンタクトを取り、記録を残さずに、数時間以内あるいは数分以内にコンテンツを削除できる方法がすでにいくつか存在するようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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