Reutersによると、Obama米大統領は2015年1月の一般教書演説を踏まえ、米国のサイバーセキュリティ強化に向けて2016年度予算案に140億ドルを割り当てたという。この予算案が米連邦議会によって承認された場合、その予算は政府や民間のコンピュータシステムをハッカーによる攻撃からより効果的に保護するために使用される。
Obama大統領は一般教書演説で詳細を明らかにしていたが、今回、包括的国家サイバーセキュリティイニシアティブ(Comprehensive National Cybersecurity Initiative)におけるサイバーセキュリティ改革の目標について、その概要を説明した。これらの目標には、民間企業と政府間での情報共有の拡大、対敵諜報活動能力の向上、連邦政府内でのサイバー教育の拡充といったことが含まれる。
2016年度予算案に盛り込まれているサーバーセキュリティ関連の財源は、特定のプログラムやプロジェクトに振り向けられる予定になっているもので、対象には「EINSTEIN侵入検知システム」、連邦政府コンピュータネットワーク監視システム、政府全体のテスティング、インシデントレスポンストレーニングなどが含まれる。2016会計年度は、2015年10月に始まる。
米国時間2月2日に発表された2016年予算案で、Obama大統領は、「この予算は、米国をサイバー攻撃から守るために必要なリソースを提供するものだ」と述べた。「いかなる外国やハッカーも、われわれのネットワークを停止し、企業秘密を盗み、米国民のプライバシーを侵害できるべきではない」(Obama大統領)
サイバーセキュリティを重視することは、時宜に適している。米国の政府や民間企業は2014年、度重なるハッカー攻撃に巻き込まれてきた。TargetやHome Depotなど小売りやJPMorganといった金融機関がセキュリティ侵害やクレジットカード情報の盗難被害に遭ったほか、Sony Picturesに対するサイバー攻撃は、米国と北朝鮮の間で議論を呼ぶ対立関係を引き起こした。
ただし、Obama大統領が提示した対策のための予算を、共和党主導の連邦議会が承認するかどうかは不明だ。過去に提出されたサイバーセキュリティ法案は、長い間成立しないままだ。
決済やテクノロジ関連企業など500社あまりが加盟する米電子商取引協会(Electronic Transactions Association)は、Obama大統領によるサイバーセキュリティ法案を支持するとともに、連邦議会にも承認するよう促していると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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