Microsoftは米国時間12月3日、「Win32/Dorkbot」ボットネットマルウェアとの水面下での戦いで勝利を収めたと述べたが、その方法についての詳細はほとんど明かさず、Dorkbotボットネットの「破壊」に関して法執行機関に協力したと述べるにとどめた。米コンピュータ緊急事態対策チーム(US-CERT)は3日、Dorkbotの破壊に関する「Technical Alert」をリリースした。US-CERTによると、このアラートは米国土安全保障省(DHS)と米連邦捜査局(FBI)、Microsoftが共同でリリースしたものだという。
Dorkbotは毎月10万台に感染しており、190カ国で100万台以上のPCを感染させている。分散型サービス拒否(DDoS)攻撃に参加し、複数の種類のマルウェアを拡散させる。Microsoftは、Dorkbotがユーザーのログイン情報やパスワードを盗むために標的にしている主なサイトとして、AOL、eBay、Facebook、Gmail、GoDaddy、OfficeBanking、Mediafire、Netflix、PayPal、Steam、Twitter、Yahoo、YouTubeなどを挙げている。LogMeInやBrazzers、YouPornもその標的リストに載っている。
さらに、Dorkbotを実行している人なら誰でも、「Internet Explorer」(IE)や「Firefox」のキャッシュに保存されたログイン情報を盗み出すようDorkbotに命令することができる。したがって、ユーザー名とパスワードをブラウザに「記憶」させたことのない人は、安心していい。
「ひとたびC&Cサーバに接続すると、一部のセキュリティウェブサイトへのアクセスをブロックして、それらのウェブサイトをブロックするようDorkbotに命令することが可能になる。Dorkbotは、IRCモジュール内のフックされた『DnsQuery』APIを通してこれを実行する」(Microsoft)
Dorkbotによって、ブロックの標的にされているアンチマルウェアおよびセキュリティ企業は39社あり、それにはAvastやBitdefender、F-Secure、Kaspersky、Malwarebytes、McAfee、Norton、Sophos、Trend Micro、VirusTotalが含まれる。
幸い、MicrosoftのセキュリティソフトウェアはDorkbotを検出して取り除くことができる。しかし、世界中のDorkbotの巨大な擬似カルテルは今も存続している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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