LINEは12月1日、LINEの公式アカウントを利用したニュース配信機能を外部メディアに開放する「LINE アカウントメディア プラットフォーム」を発表した。各メディアが独自の視点で選んだニュースを、自社の公式アカウントを通じて、国内約5800万人のLINEユーザーに配信できるようになる。
LINEは2013年7月にニュースアプリ「LINE NEWS」を公開。しかし、アプリをダウンロードしたり起動したりする必要があるため、想定よりもユーザーが伸びなかった。この反省を踏まえて、2014年4月からLINE内のLINE NEWS公式アカウントを通じて、ニュースを1日3回ダイジェスト形式で配信する「LINE NEWS DIGEST」を開始した。
LINE NEWS DIGESTでは、別のアプリを立ち上げることなく、LINEアプリ内でプッシュ配信されたニュースを受け取れる。さらに、2015年4月には「LINE NEWS マガジン」を新設。「動物萌え」「野郎メシ」など、ユーザーが自分の好みに応じて選択したマガジンを週1~2回、プッシュ配信で受け取れるようにした。
これらの取り組みの結果、LINE NEWS公式アカウント開設から13カ月となる2015年5月時点で、月間アクティブユーザー数(MAU)は、1200万人を超えているという。また、LINEの公式アカウントのメッセージ開封率は7割を超えていることから、より多くのユーザーにニュースを届けられると説明した。
新たに開始したLINE アカウントメディア プラットフォームは、LINEの公式アカウントを使ったニュース配信機能を外部メディア向けに提供するもの。第1弾パートナーとして、朝日新聞デジタルや産経ニュース、テレビ朝日、スポーツ報知、ダイヤモンド・オンライン、現代ビジネス、サッカーキング、All Aboutなど、24メディアが発表された。
各メディアは無料でプラットフォームを利用できる。公式アカウント(LINE アカウントメディア)を開設後、LINEのニュース配信CMSを通じて、独自の視点で選んだニュースをダイジェスト形式にして、公式アカウントをフォローしているLINEユーザーにプッシュ配信できる。ユーザーは、「LINE NEWS」内の「第1弾ラインアップ」をタップし、特設ページから好みのアカウントをフォローできる。
LINE NEWS事業を統括するLINE上級執行役員 コマース・メディア担当の島村武志氏は、現在のインターネットニュースの読まれ方には大きく2つの問題点があると指摘する。1つ目は、ポータルサイトなどに配信することで多くのユーザーにリーチできる一方、最終的な記事の取捨選択はプラットフォーマーに依存していたり、記事が読まれても媒体のブランド自体は認知されにくいということ。
2つ目が、ソーシャルメディアでのニュース消費だ。多くの人々がFacebookやTwitterを通じてニュースに触れているが、その前後には友人が投稿した食事の写真や、娯楽情報なども混在している。また、友人間の評価によって共有されるニュースが変わるため、断片化も起こりやすいと話す。
こうした課題に対し、LINE アカウントメディア プラットフォームでは、メディア側が情報を取捨選択できるようにし、かつ記事を公式アカウントでまとめて閲覧できるようにした。これにより、従来のポータルニュースやキュレーションアプリでは難しかったブランディングやファンの獲得にもつながるとアピールした。
同社では、LINEアプリやLINE NEWSの公式アカウントを通じて、参画メディアのアカウントへの集客を支援する。また、各メディアが配信するダイジェスト記事内に、広告掲載スペースを提供することで収益化を支援するとしている。売上はLINEとメディアのレベニューシェアで、50%がメディアに分配される。現在、インフィード広告や動画広告も準備しているという。
各メディアの配信する記事が、どのようにユーザーに届いているかをトラッキングできる解析ツールや、速報に対応できるシステムなども開発中だという。さらに、媒体や記事ごとに有料課金できるオプションなども検討していきたいとした。
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