母語については、子どもの頃から自然と話すようになっているため、ちょっとした語彙の選択や、ニュアンス、語調などを、意識せずに使い分けることができる。しかし、外国語となると、なかなかそうはいかない。ビジネスパーソンが最も使う機会が多いであろう英語でも、ちょっとした言い回しや言い方で、誤解を招いてしまった経験がある人もいるだろう。なぜ、そのようなことになってしまうのかを、日本語と比較することで気づかせてくれるのが本書だ。
本書は学術書だが、英語を話す外国人、あるいは、日本語を話す外国人と接する機会の多い人なら、知っておくとコミュニケーションの助けになるであろう、重要な考え方が示されている。「なぜ、その言い方では失礼だと感じるのか」を、日本語側と英語側の両方から考察し、より良いコミュニケーションのために、推奨される表現例が提示されている。
要するに、円滑なコミュニケーションのためには、文字通りの「直訳」ではだめで、お互いの文化から想定される言い方への置き換えが、非常に大切なのだ。これは、直接的なコミュニケーションの場でのみ考慮されることではなく、文書やメール、マニュアルなど、あらゆる場面で考えなければならないことなのだと、気づかされる。
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