「小規模だがヘルステックで革新が起きている国がある。イスラエルとフィンランドだ」とHolt氏は続けた。
イスラエル発のヘルステックとして、Holt氏は、遠隔診療で必要な情報を取得するデバイス「Tyto Care」、スマートフォンの通知機能で服薬をうながすアプリ「Medisafe」、自然言語認識で患者のコミュニティをサポートして製薬企業に副作用などの情報を提供する「treato」の3つを紹介した。
また、「(人よりも)トナカイの数が多い」(Holt氏)というフィンランドで開発されたヘルスケア系アプリには、睡眠サイクルをモニタリングする「Beddit」、人工知能システムを使ってがん患者の退院後をフォローする「Noona」、英国の有名な主婦Jamie Oliver氏と協力して毎日の生活を写真撮影などで豊かにしていく「YOU-app」などがある。
基調講演では、その他にも各国のヘルステックデバイスや技術を紹介していたが、なかでも注目したいのは、MIT Media Labsが開発した「EyeNetra」だ。
患者自身が簡単に検眼ができるもので、専用の接眼デバイスにAndroidスマートフォンを取り付けると数分で近視や乱視、眼疾患などを検査し、眼科や眼鏡店ネットワークによるオンデマンドのケアが受けられる。
このように、ヘルステックの分野は日々成長し、われわれの医療環境が変わりつつある。Holt氏は「世界中の健康に対するニーズは先進国も発展途上国でも変わらない。われわれは今後10年で、これらのテクノロジを使って世界を変えていきたい」とHealth 2.0の活動に理解と協力を求めた。
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