現時点でのiPad Pro最大の強みは、クリエイティブなビジュアルアーティスト向けの機能だ。Apple Pencilにしても、あの素晴らしいスクリーンで大きなアプリを使用できる可能性にしても、夢のようなiPadキャンバスと言える。高価ではあるが、それらのニーズに応えられるという点においては、他のすべてのiPadよりはるかに優れている。大きく美しいiPadであり、感圧式スタイラスApple Pencilのサポートは、非常に大きな違いを生む。
また、究極の「メディア」iPad(動画再生や音楽鑑賞用)を探している人にとって、iPad Proは非常に高価ではあるものの、間違いなくその要件を満たす端末だ。
それ以外の人にとってはどうだろうか。おそらく、まだ準備が万全ではない端末と感じるだろう。独自のソフトウェアやアクセサリが登場するときまでは、多少の改善が施された、非常に大型で非常に強力なiPadにすぎない。
今のところ、iPad Proは筆者のノートブックに完全に取って代わるまでにはなっていない。おそらく、皆さんのノートブックの代わりにもならないだろう。しかし、それに近い形で使える場面もある。本レビュー記事を仕上げる前の週末は、ノートブックを一度も開かなかった。使ったのはこのiPad Proだけだ。それでうまく作業できた。唯一の例外は、Google Docsでの編集提案の承認だ。iPad Proではうまく処理できなかった。
筆者は今、再び13インチのRetinaディスプレイ搭載MacBook Proで作業している。iPad Proを使ったときと同じように画面を分割してアプリを表示させ、同じデスクで編集をしているところだ。いくつかの面で、iPad Proが少しだけ恋しくなることもある。
筆者が欲しいのはコンピューティングの未来だ。購入に関して難しい決定を下すのは好きではない。AppleのiPad Proは風変わりな製品である。半分は、あらゆるAppleコンピューティングの未来だ。残りの半分は、そうではない。12.9インチの大型タブレットであり、こうした12インチや13インチのApple製端末には、MacBook Air、Retinaディスプレイ搭載MacBook Pro、新しいMacBookなど、他にも多くのヒット製品がある。
iPhoneが「iPod」を飲み込んだように、iPadもMacを飲み込んでほしい。このiPadは既にMacと変わらないサイズにまで大きくなった。だが、iOSもそれにともなってすっかり変わらなければならない。筆者は、自分の古いファイルやウェブツールにもっと効果的にアクセスする必要がある。なぜなら、それがプロフェッショナルとして必要なことだからだ。iPadには、コンピュータが備えているべき柔軟性を手にしてほしい。iPad Proはそのギャップを埋める必要がある。
iPad Proは新しい近未来的な超高性能ノートブックの上半分のように感じられる。筆者は下半分も欲しい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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