iPad Proは、本格的なコンピュータであると感じられるようになりつつある。しかし、分割画面アプリの限定的な構成や、多くのiPadアプリがまだSplit Viewで動作さえしないことが原因で、本来の魅力を発揮できていない。
さらに、iPad Proはこれほどの大型スクリーンを備えているため、最適化されていないアプリ(本稿執筆時点では、たとえば「Google Drive」や「Google Docs」など。米CNETが作業で利用するアプリだ)はあまりにも大きく表示され、文字とアイコンが場所を取りすぎてしまう。米CNETの編集長であるLindsey Turrentineは、「日常的にGoogleのアプリを利用するユーザーとしては、それらのアプリが最適化されていないのは本当にいらだたしい」と述べる。「もちろん、これはAppleの責任ではないが、Apple Pencilのサポートがさらに強化されたアプリや、iPad Proの大型スクリーンと高解像度を活用するアプリが増えることを心待ちにしている」(Turrentine)
筆者はもちろん、iPad Proに多くを求めている。誰もが欲しくなるようなアクセサリ(キーボード、Apple Pencil、128Gバイトのストレージ)を追加すれば、「MacBook Air」と同程度の価格になるからだ。もっと大胆でプロフェッショナルな体験になり得た機会は非常に多くある。
ホームスクリーンは多くのスペースが無駄になっている。下部のドックにアプリを固定できるが、今までどおり最大6個のアイコンしか置くことができない。「MacBook」のアプリドックのように、もっと多く追加したいところだ。プルダウンメニューから利用可能になった通知やウィジェットは、必要に応じてディスプレイの横側に表示させたい。もっと多くのものに同時にアクセスしたいし、横に並べて使用できるアプリやウィジェットを増やしてほしい。なぜもっといろいろなことをカスタマイズできないのか。iPad Proはそういったことを処理できるし、筆者にもその能力がある。
このiPadにUSBポートはないが、「Lightning」ポートはUSB 3レベルのスピードをサポートする。ただし、これには対応アダプタの登場が必要だ。新しいアクセサリで、それをもっと開放してはどうだろうか。確かに、クラウドストレージを使ってiPad Proとファイルをやりとりするのは、これまでになく簡単になった(ただし、通常のMacや「Windows」コンピュータに比べると、やはりアプリ依存度が高い)。また、iPhoneやMacからiPad Proへの「AirDrop」は、魔法のように動作する。Appleは、古いポートやドライブをやり過ぎというくらい容赦なく廃止することで有名だ。しかし、「MacBook Pro」の直近の大規模なデザイン変更では、以前より搭載されていたThunderboltポート、USBポート、SDカードスロットの他に、HDMI出力が追加された。これらを日常的に使用するユーザーにとって、理にかなった改善だった。
筆者はトラックパッドも使いたいと考えている。iOSがトラックパッドに対応してほしいところだが、せめてトラックパッドで操作できるアプリを使わせてほしい。「Smart Connector」ポートは非常に大きな可能性を秘めているが、キーボードでは、その潜在能力を十分に引き出すことはできない。
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