「マビノギ」開発者が手がけるスマホ向けMMORPG「野生の地:Durango」誕生秘話

 ネクソンの韓国法人であるNexon Koreaは、釜山で開催されたゲームイベント「G-STAR 2015」において、さまざまなPCオンラインゲームやモバイルデバイス向けゲームを出展。そのなかのひとつに、モバイルデバイス向けの新作「野生の地:Durango」というタイトルがあった。

  • キービジュアル

 本作は謎の事故で空間がねじれ、現代から先史時代へワープしたプレイヤーが、未開拓の土地を切り開き、他のプレイヤーとともに仮想社会を作り上げていくという、俗にサンドボックス型とよばれる自由度の高い、開拓型オープンワールドMMORPGをうたうゲームとなっている。さまざまな恐竜も登場するなか、生き残りをかけて探検や狩りをしたり、コミュニティを構築したりと多様な遊び方が用意されている。

 G-STAR 2015のブースでは、チュートリアルの部分を試遊出展。列車内の客車で突然異変が起こり、一変して廃虚に。さらに恐竜が襲ってきて戦うシーンが用意され、その恐竜を倒すと、突然巨大な恐竜が列車の壁を突き破って登場し、襲っていた小型の恐竜を食べてしまうなど迫力のある演出が用意されていた。またあわせて公開したオープニングムービーでは食事や武器を作って生活したり、恐竜に乗って移動する、狩りをするシーンも描かれるなどゲーム内容の一端が垣間見えるものとなっている。

 開発の中心人物はNexon Koreaのスタジオ「What!Studio」ディレクターであるイ・ウンソク氏。イ氏はケルト神話をモチーフにしたMMORPGで、すでに10年以上サービスを続けている「マビノギ」や、アクションRPG「マビノギ英雄伝」を手がけた人物。両タイトルともに日本でのサービス展開している。

 イ氏に本作の開発経緯やゲーム内容のほか、現状では韓国以外のサービス展開は未定となっているものの、日本を含めたグローバル展開の可能性などを聞いた。

--まず、本作の開発経緯を教えてください。

  • イ・ウンソク氏

 当初はマビノギ英雄伝の次のタイトルとして、PC向けにヨーロッパの中世風の雰囲気を出したファンタジーゲームを考えていました。ですが、現在はそのようなゲームがあふれるほどたくさん出ています。それよりは、少しでも独創的なゲームを作りたいと思い、ファンタジーではないテーマや世界観、そしてプラットフォームはモバイルデバイスにして、ユーザーが「本当にモバイルでこういうゲームを遊ぶことができるの?」と驚いてもらえるものを作りたいと考えたのがきっかけです。

--オープンワールドのゲームにしようと思ったのは。

 今のゲームは大きく分けて、テーマパーク型とサンドボックス型の2パターンがあります。長くテーマパーク型のゲーム人気が高く、その頂点にあるのはBlizzard Entertainmentが開発したMMORPG「World of Warcraft」でしょう。そのタイトルに対抗するには膨大なコンテンツが必要で、そこを目指すには開発期間とコストもかかりますし、正直答えがない開発を続けることになるでしょう。それよりは正反対となるサンドボックス型にして、なおかつモバイルゲームではなかなか体験できないであろう、オープンワールドのタイプにしようと思いました。

 マップに関してもすべてクライアントで用意するものではなく、サーバを介してランダムに生成する形となっています。このあたりはネットワークやモバイルデバイスの進化によってできたことですし、マップの形状も無限といえます。

--ゲーム中のマップはどの程度の広さをイメージしたらいいですか。

 一番広いマップとしてテストしているのは10km×10kmの規模ですけども、それはハードコアな大陸のコンテンツとして考えています。実際にプレイヤーが遊ぶマップは小規模な島になります。だいたいひとつが1km×1km未満ぐらいの大きさで、その島が無数に近い形で点在する群島が舞台となります。

--プレイヤーが降り立つ島はランダムとなるのでしょうか。

 チュートリアルが終わったあと、同時期にはじめたプレイヤーとともにいかだを作って、チュートリアルの地域から脱出する場面があり、2つの選択肢があります。もしすでにゲームを始めている知り合いのプレイヤーがいるならば、その名前を入力することによって、そのプレイヤーと一緒の島に行くことができます。そうでなければ、そのいかだに同乗した人たちと一緒の島に行きます。

--恐竜が生息するような先史時代の世界観にしたのは。

 根本的に人間には野生に対する憧れを持っているものだと考えています。また韓国では数年前からキャンプに人気があり、サバイバルゲームをするようなテレビ番組も人気で、ファッションでもアウトドアのブランドが流行しています。このような背景を考えると、先史時代のような世界観は現代のユーザーにもアピールできるのではないかと考えました。

 どのようにすれば面白いゲームを作ることができるのかということと、よりたくさんの方にゲームを遊んでもらえるかということはいつも考えています。現在はゲームに限らずさまざまなエンターテインメントコンテンツがあふれていますから、ユーザーにそのコンテンツを選んでもらうことが大変です。時間に限りもありますから、どのようにすればユーザーの目を引いて注目してもらえるかと考えたときに、人間のロマンにフォーカスを当てようと思いました。

--恐竜はどの程度登場するのでしょうか。

 ざっと40から50種ぐらいを初期段階では用意しています。基本的に実在していたと思われる恐竜がほとんどですが、ゲーム向けに特性(性格)をアレンジしています。ゆくゆくは現実に存在していなかった恐竜も登場させていくつもりです。

--コミュニティ要素はどのようなものがありますか。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]