Microsoftは、セキュリティ関連の研究開発(R&D)にSymantecに匹敵する資金を投入しており、同社がウォレットシェアをさらに拡大する可能性があることを示している。
Microsoftは、同社のセキュリティ計画を取り上げたブログ投稿で、セキュリティ関連の研究開発費として同社が年間10億ドルを超える金額を投入していると述べた。それが実質的にどの程度の規模なのかというと、その総額はMicrosoftの年間売上高の1%強に相当し、同社の2015会計年度の研究開発費の約8.33%を占める。Microsoftは年間売上高の約13%を研究開発に費やしている。
比較のためにSymantecの研究開発費を見てみると、同社の研究開発費は11億4000万ドルで、その金額の大部分が何らかの形でセキュリティ関連に費やされていると想定してかまわないだろう。MicrosoftもSymantecも、インテリジェンスネットワークを配備し、脅威を監視している。Symantecの研究開発費は年間売上高の18%だった。
Microsoftがセキュリティ分野で売上高を獲得できるか、あるいは、企業顧客のウォレットシェアを拡大できるかについては、今後の動向を見守る必要がある。数年前までセキュリティに関しては他社の後塵を拝していたMicrosoftにとって、データを保護するための費用は事業を遂行するために必要な経費だった。しかし、MicrosoftやGoogleなどの企業が提供する製品やクラウドにセキュリティがますます組み込まれるようになっていることから、独立系ベンダーは今後どうなるのだろうかと首をかしげずにはいられない。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)を務めるSatya Nadella氏はワシントンでの講演で、セキュリティに対する同社アプローチの概要を説明した。Microsoftの各種ツールを連携させて、統合されたセキュリティ手法を確立しようというのがその構想である。同アプローチは、脅威に対する保護、検出、対応を中心としている。
Nadella氏の講演では、多数の新しい洞察が明らかにされたわけではないが、Microsoftがどのようにして、複数の場所から収集したデータを組み合わせる「インテリジェントなセキュリティグラフ」を構築しようとしているかは注目に値する。Nadella氏は、PC、モバイル、サーバ、クラウド、モノ のインターネット(Internet of Things:IoT)といったあらゆるものからの信号を結びつけることについて話した。
Microsoftによるセキュリティ関連の取り組みの中心となるのは、同社のCyber Defense Operations Centerである。ここには、セキュリティ専門家、アナリスト、エンジニア、開発者、管理者が一カ所に集結される予定だ。Microsoftは、エンタープライズセキュリティを専門とするグループも設置している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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