11月10日~11月16日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
今週の最も大きなトピックはiPad Proの発売だ。9月9日のスペシャルイベントで披露された12.9インチの大型タブレットについて、AppleのTim Cook CEOは、「なぜ今さらPCを買うのか」と疑問を投げかけるほどの自信を見せた。
iPad Proの発表ステージは、それまでの他の製品と完全に異なっていた。iPad Proそのものには、おそらくすべてを組み合わせなければその良さを発揮できないSmart KeyboardとApple Pencilが登場し、また、MicrosoftとAdobeといったソフトウェアのデモが披露された。
おそらくTim Cook氏が言う「なぜPCを買うのか」という言葉の「PC」にはMacは含まれていないと考えられるが、だとすると、MicrosoftはPCの息の根を止めると息巻くiPad Proに荷担していることになる。ただ、Microsoftにも、Surface Pro 4とSufaceBookという自信作があるし、ビジネス用途でiPad Proが売れるならば、Officeもほぼ確実に使われることになるため、さほど悪い話ではないようにみえる。
iPad Proの日本での価格は、32GバイトのWi-Fiモデルが9万4800円、Wi-Fi + Cellular の128Gバイトモデルは12万8800円からとなっており、シルバー、ゴールド、スペースグレーのおなじみの3色が用意されている。キーボードカバーとなるSmart Keyboardは1万9800円、Apple Pencilは1万1800円だ(いずれも税抜価格)。
今回のiPad Proは発表から発売まで期間があったこともあり、スペシャルイベント以外の場でも触れる機会があった。Adobeが開催したクリエイティブの祭典、Adobe Max 15のステージでもiPad Proを用いたデモが披露され、一部のクリエイターを招いたシークレットイベントでは、実際にイラストレーターが試すこともできた。
例えば仕事の文脈で、iPad Proをワークフローのどこに取り入れることができるのか、イメージしにくいかもしれない。筆者が実際に試してみると、必ずしもMacを完全に代替する存在とはなり得ない。ただし、アプリ単位で、PCでの作業を置き換える可能性は非常に感じられた。
例えば、Adobeが披露したワークフローが象徴的だったが、あるポスターを制作する際、iPad ProとApple Pencil、そしてレイアウトデザインを簡単に作成できるアプリAdobe Comp CCを利用して、手書きでデザインを行い、そのままMacのPhotoshopにデータを渡して仕上げる、といった使い方は非常にスマートだった。
また、PowerPointでは、自動整形される図形描画機能を用いることで、より素早く直感的なスライド作成や作図ができるようになる。筆者がこれから試してみたいのは、ポータブル型のMacの代替を体験してみることだ。こちらについては、追って記事にしたいと思う。
ドコモ、KDDI、ソフトバンクら「iPad Pro」セルラーモデルを11月14日に発売(11/10)Appleは、Apple Musicを立ち上げる際、秋にはAndroid版をリリースするとのアナウンスをしていた。11月11日、Apple MusicのAndroid版をベータ版として立ち上げている。同時に、Androidにも提供してきたBeats Musicを11月30日に終了するとアナウンスした。データ等は、Apple Musicに移行できるという。
Apple MusicのAndroid版は、6倍近くに上る世界のAndroidユーザーに、Apple Musicを届ける重要な役割を持つ。Appleが、Apple Musicで音楽業界における重要なポジションを占めるためには、Android向けのサービスが必要不可欠であり、これまでのiTunes Storeよりも踏み込んだ形で、音楽ビジネスのプラットホームとしての重要性を高める狙いがあるとみられる。
Apple Musicよりも先行してサービスを提供しており、無料アカウントも作れるSpotifyは、7000万人のユーザー数を抱えている(うち有料ユーザーは2000万人)。Apple Musicは有料会員が650万人で、無料トライアル中のユーザーが850万人と、スタートとしては良好に見えるが、まだまだ規模では追いついていない。
Android用「Apple Music」アプリ、ベータ版がリリース(11/11)Apple Payは、最近、これまで許可されてこなかったMaster/Visaの提携カードでのApple Pay登録をサポートするようになった。筆者の手元にあるFirst National Bank Omahaが発行する提携カード「JAL USA CARD」でも、Apple Payが利用可能になり、ユーザー数の更なる拡大に向けて歩みを進めている。
しかしAppleが狙うモバイル金融の分野はそれだけに留まらないようだ。The Wall Street Journalによると、Appleは個人間決済システムの実現に向けて、米国の銀行各社と交渉しているという。
個人間決済は、クレジットカード決済と異なり、小切手もしくは銀行振込の代わりを担う手段となり得る。現在、PayPalに加えて、Squareも、非常にシンプルな個人間決済アプリ「Square Cash」をリリースしている。このアプリは、あらかじめ銀行カード(デビットカード)を登録し、「$」で始まるユーザー名を取得すると、Square Cashユーザー間での送金が可能になる。
Appleは、iPhoneユーザー間で、よりシンプルな資金のやりとりを可能にする手段を想定しており、2016年のiOSの目玉の機能として提供されるかもしれない。ただし、Apple Payがそうであるように、米国からサービス開始となるはずで、日本のユーザーも利用できるかどうかは不透明だ。
アップル、個人間決済システムで米銀行各社と交渉か(11/13)Apple Watchを使っていると、テクノロジ、あるいはガジェットであるという感覚が薄れてくる。つまり、最新の機能はどうかということにあまり注目しなくなり、同じデザインである限りは、毎年新しいモデルを買い換えようとは思わない。
ただ、2016年は、Apple Watchの新モデルが披露される可能性がある。Apple Watchの製造を請け負うQuanta Computerの会長、Barry Lam氏によると、2016年にハードウェアとソフトウェアが全面的にアップグレードされたApple Watchの次世代モデルが登場する見込みとの予想が伝わってきた。
Android Wear搭載デバイスのトレンドは、丸形のディスプレイを備えたモデルであり、Apple Watchが次世代モデルでも四角形の文字盤を堅持するかどうかも気になる。また、これまでアルミニウム・ステンレススチール・ゴールドの3つのマテリアルと、38mm/42mmの2つのサイズを用意している。
現状考えられる「新しいハードウェア」としては、視覚と円形のディスプレイへとバリエーションを増やし、マテリアルにチタンを加え、また48mmというより大きなフェイスのモデルを追加するといった刷新が順当なところではないかと考えている。
「Apple Watch」、2016年リリースに向け次期モデル開発中か(11/16)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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