3つ目の不満はクリックに関する不満点だが、こちらはトラックパッドのメカニズムそのものを変更することで解決している。Appleはタッチに圧力を加える取り組みを、ラインアップ横断的に進めている。Apple Watchを皮切りに、MacBook、MacBook Pro、そしてiPhone 6s/6s Plusへと、その採用は進んできた。
Magic Trackpad 2は、iMacやMac Pro、Mac miniで、感圧タッチをサポートするデバイスとも位置づけられる。
乾電池から充電式バッテリに変わり、傾斜角が緩やかになっただけでなく、パッド上部分のデッドスペースがなくなり、隅々までガラス面になった。しかも横長になり、操作できる面積は約30%拡がり、特にiMacのような広い画面での操作が快適になった。
そしてクリックを認識するメカニズムは、足をスイッチとして扱う方式から、ガラス面の感圧センサによるものに変更され、感触フィードバックによって擬似的にクリック感を作り出すようになった。そのため、ガラス面のどこを押し込んでも、同じ力でクリックを認識してくれた。
加えて、通常のクリックからさらに強く押し込むクリックが利用できるようになり、Safariなどでウェブ閲覧をしている際に、単語を強く押し込んでその場で辞書の意味を表示したり、ファイルなどを押し込んでクイックルックを開いたり、QuickTimeの早送り・巻き戻しの速度を圧力で調整したりするなどジェスチャーによるショートカットが利用できるようになった。
また前述した、クリック感については「擬似的」に作り出せるというのもポイントだ。つまり、ソフトウェア的に好みの感触にカスタマイズできるということだ。
「システム環境設定」の「トラックパッド」の項目では、Magic Trackpad 2の詳細設定が可能になっている。この画面では、クリックを認識する強さ、より静かにクリックのフィードバックを伝える「サイレントクリック」の設定を調整できる。
個人的には、クリック圧は弱めにし、サイレントクリックをオンにして、より軽やかに利用できる設定が好みだった。
筆者が抱えていた3つの問題点を解決してくれたMagic Trackpad 2。感圧タッチをサポートするアプリはまだ増えてはいないが、指先の微妙なジェスチャーによって、心地よく、高度な操作性を手に入れることもできるはずで、そうした将来にも期待が持てるインターフェイスだった。
ただ、もしiMacを新品で買う際にも、標準添付のMagic Mouse 2からMagic Trackpad 2へ変更するには5300円(税別)がかかるし、単品での購入の場合、Lightningケーブル(2200円、税別)が付属してくることを差し引いても、1万4800円という価格は高めの設定といえる。
初めて外付けトラックパッドを使おうという人にとっては、価格の高さが気になるかもしれない。しかし、既存のMagic Trackpadユーザーの筆者は、快適さを求めるという点で、十分価値がある製品と感じている。
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