最後の基調講演では藤井直敬氏からハコスコの創業経緯やVRCの今後の目標などがあらためて紹介された。
研究者としてハイエンドなVR技術に触れてきたが、ハコスコとOculusで楽しめるコンテンツの差は100倍もないと気がつき、「今はまだVRに触れたことがない普通の人達がの体験を増やすことに興味がある」と言う。ハコスコ本体に加え、視聴アプリや動画投稿プラットフォームを構築したのもそのためで、デバイス、アプリ、コンテンツの価値をそれぞれ上げていくのが大事と考えるようになったそうだ。社会的価値にも視点を当て、AED啓蒙やお年寄りに世界旅行を体験できるようにする利用事例を紹介した。
研究者としてスマホを60台同期したマルチユーザー体験も研究。The Mirrorという没入体験型作品を熊本現代美術館で公開している藤井氏は、「4K動画撮影がiPhoneでできるなど技術が進化するスピードが速い中で、いかに良いコンテンツを開発するかが大事であり、マネタイズは必須要素である」と断言する。ハコスコではコンテンツを販売するプラットフォーム整備を年内を目標に進めている。
「誰もが楽しめるB級グルメ的なものは世の中に定着し、社会体験を変えることがさまざまな変革につながる」ともしており、「今後もVRCでは興味ドリブンでありながらも価値あるものを創造するための活動を行っていきたい」というコメントでカンファレンスを締めくくった。
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