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スマートフォンネイティブが見ている世界

子どもを追いつめる「LINEいじめ」--“ネットいじめ”の今 - (page 2)

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文章コミュニケーションは子どもにとって難易度が高い

 幼い子どもと接すると、子どもが平気で他人を傷つけるような発言をする場面に出くわすことがある。彼らは思ったことをそのまま口にしただけであり、他人が傷つくかもしれないなどとは考えもしない。幼ければ幼いほどその傾向が強く、自分の発言で他人が傷ついたところを見て初めて自分が傷つけたことに気付く。幼い子供は経験がないため想像力に乏しく、他人の気持ちにあまり敏感ではないのだ。

 ましてネットでは、自分の書き込んだ言葉による友だちの反応が見えない。深く傷つけても自覚できないというわけだ。そもそも文章だけでのやりとりはキツく感じられることが多く、誤解を生んだり、トラブルになりがちなものだ。コミュニケーションの練習中である子どもにとっては、SNSなどの文章でのやりとりは非常に難易度が高いものなのだ。

 中学1年男子A彦は、「死ね」という言葉の重みを感じず、日常的に使っていた。SNSでのやりとりを好むが、相手の反応については意識していなかった。友だちの1人が学校を欠席するようになり、その原因がA彦のネットいじめにあると告白。繰り返しネットで「死ね」「消えろ」と言われることが辛かったという。ところが、A彦自身は悪気はなく、あくまでコミュニケーションの一種としてとらえており、友だちの告白に驚いていた。

 これは極端な例だが、ネットでは相手の顔が見えないため、自分の言葉で相手がどう感じているのか分かりづらいのは確かだ。最近は、いじめられる側の気持ちが分かるいじめの疑似体験授業なども実施されているが、このような体験によって言葉の力を知ることは大切だろう。

普段から学校での様子を話題にしよう

 保護者や教員がLINEいじめを知るためには、どうすればいいのだろうか。やはり、子どもの変化、つまり学校へ行きたがらなかったり、遅刻・欠席・早退などが増えたり、体調不良を訴えたり、元気がなかったりといった変化から知ることが一番だ。ネットいじめはリアルいじめと連動して起きることが多いため、まずリアルいじめを解消する必要があるだろう。

 Android端末限定だが、ネット上のいじめや犯罪から子どもを守るサービス「Filli(フィリー)」を使うと、いじめが起きている可能性を知ることができる。子どもがやりとりしている原文を見ることはできないが、そこでいじめにつながる単語が登場していた場合、「いじめかもしれない」と保護者に通知がいく仕組みだ。設定には子どもの協力が必要だが、SNSで親しい友人なども分かるので、やってみる甲斐はあるかもしれない。


Filli

 ネットいじめは、学校ネットパトロールでも分からないところに潜むようになりつつある。これを解決するためには、保護者や教員などが子どもの変化にいち早く気づき、傷が浅いうちに対応することが重要だ。一番確実なのは、日頃から学校での様子やLINEでのやりとりについて、子どもと話す習慣を持つこと。嫌なことがあったら子どもから相談してもらえる関係性でいることで、早期発見につながるのではないだろうか。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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