手持ちの本をデジタル化したいが、スキャンするための裁断を避けたい大切なものが多く踏み切れずにいる。フラットベッド型スキャナに押しつけてスキャンするのも本が傷むし、そもそも作業が繁雑で時間がかかる。
そこで、スキャン時に本を無理に拡げず済むオーバーヘッド型スキャナはどうだろうか。クラウドファンディングサービス「Indiegogo」で支援募集中の「Czur」はスキャン速度が速く、本を置いてページをめくっていけば簡単にデジタル化できる。
Czurの開発チームは、既存のスキャナに比べ約20倍の速度でスキャンできるとしている。以下のデモビデオを見ると、ページをめくってスキャンボタンを押すと画像の取り込みが終わっている。1分あれば60枚以上スキャンできそうで、例えば500ページある書籍でも数分でデジタル化が済む。
スキャンした画像は、自動的に歪み補正される。本を無理に平らにする必要がなく、自然に拡げるだけなので、本を傷めることがない。周囲の無駄な部分を省くトリミング、紙面についた指紋などの汚れ除去、ノイズ除去なども自動実行される。OCR機能も搭載している。
USBポートを備え、スキャン画像はPCへ保存できる。無線LAN(Wi-Fi)インターネット接続に対応しており、専用のクラウドストレージサービスへ画像を直接アップロードすることも可能。その場合、PCにドライバやソフトウェアをインストールする手間が省けるうえ、スキャン後すぐにPCやタブレット、スマートフォンで画像が確認できる。
スキャン範囲は上部の2.4インチの液晶画面で確認できるので、はみ出す失敗はない。書籍や書類だけでなく、立体物のスキャンにも使える。リアルタイムの映像出力も可能で、HDMI経由でプロジェクタに接続してオーバーヘッドカメラ(OHC)として使える。
Indiegogoでの目標金額は2万ドル。記事執筆時点(日本時間10月29日12時)でキャンペーン期間は25日残っているが、すでに目標の10倍近い19万5000ドル以上の資金を集めている。
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