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dTVはリニューアルでどう変わったか--会員数、滞在時間、アクティブユーザー数は?

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再生数はリニューアル前の1.5~2倍程度にまで増加

 NTTドコモが提供する動画配信サービス「dTV」が好調だ。会員数は10月末現在で470万人(リニューアル以前の会員数は447万人)を突破し、ドコモユーザー以外を含め右肩あがりに数値を伸ばしている。特に、サービス名称を含めた大幅リニューアルを慣行した4月以降は退会率の低下が顕著となり、より安定した会員数を確保できるようになった。

 dTVを運営するエイベックス通信放送の執行役員サービス推進部長の山下智正氏は、こうした状況について「(リニューアル後は)契約者1人当たりの動画視聴時間が着実に増加し、退会率の減少につながっている」と分析する。同社の統計によれば、人気コンテンツの配信と相まって動画ファイル再生数はリニューアル前の1.5~2倍程度にまで増加しており、従来のライト層の接触時間と再生回数が底上げされたことが安定につながっているようだ。


エイベックス通信放送の執行役員サービス推進部長の山下智正氏
  • リニューアルで採用された「ザッピングUI」

 4月のリニューアルにおける最大のポイントは、ユーザー発の目的志向に伴う能動的サービスから事業者側が積極的に視聴を働きかけ、ユーザーが受動的に利用できるサービスへの転換だ。ユーザー側が目的をもってコンテンツを検索するのを待つのではなく、見てほしい動画、そのユーザーに喜ばれそうなコンテンツを提案していく形で、配置のデザインも含めた大幅な見直しが図られた。

 横軸にジャンル、縦軸にコンテンツを並べたユーザーインターフェース(UI)は操作の快適性を含め使いやすく、コンテンツのアイコンも大きく表示されるようになったことで作品に目が留まりやすくなった。また、コンテンツアイコンが静止画表示だけではなく、予告編などの動画が再生されるようになったことも目の留まりやすさを向上させている。

ビッグデータ解析だけではできない作品分析とタグ付け

  • キーワードとして付与されている「フィルムメタ」。表示されていないものを含めると1000個以上のタグが1つのコンテンツにつけられている

 こうした提案型サービスの中でも中心的な役割を果たすのが、ユーザー個々に適したコンテンツを提案していく「あなたにオススメ」。レコメンドにあたっては過去の視聴履歴や登録上の個人情報などビッグデータ解析が元になっているが、それ以上に大きな意味を持っているのがコンテンツ側の詳細な分析とタグ付けだ。

 フィルムアナリストと呼ばれる人たちの手によって保有するコンテンツ1本ずつに付加された詳細な分析、タグ付けは、ビッグデータ解析と組み合わせることで、より的確なレコメンドを実現している。コンテンツごとの分析データはA4の紙ベースで数10ページ分にわたるもので、出演者や作品ジャンルといった単純なものから場面ごとの要素、エンディングの方向性などしっかりと作品を視聴しなければ付加できないレベルのタグ付けが行われているそうだ。

 個人的に体感した具体的なレコメンド事例を紹介しておこう。リニューアル以前、当方はdTV(当時はdビデオ)で視聴していたコンテンツは「北斗の拳」と「マクロスF」の数話のみ。いずれも30分のアニメ作品だが、レコメンド実装後、提案されたコンテンツの中には2時間ものの映画「ロボコップ」が含まれていた。

 「DVDやBDを保有しているわけではないが、テレビなどで放送されればなるべく視聴する」くらいには好みの作品をピンポイントで提案されたことにも驚いたが、むしろ、過去の視聴履歴からはジャンル、作品時間などが大きく異なる「好みの作品」を導き出したことに感心した。ビッグデータ解析だけでは得られない、作品ごとの詳細なタグ付けあってこそのレコメンド事例と言えるのではないだろうか。

 当然、レコメンド機能は視聴を重ねるごとに成長するため、作品を見れば見るほど好みの作品には出会いやすくなる。例えば「ロボコップ」視聴後はジャッキー・チェン主演の映画「ポリスストーリー」が提案され、さらにそれを視聴するとカンフーアクションつながりからか「霊幻道士」へ、そこからホラーつながりで「ザ・フライ」が提案されるといった具合だ。

 いずれも視聴経験ありなしを問わず好みの作品だが、少なくとも自ら検索してまで視聴する可能性は低く、リニューアル前であれば作品ラインアップにこれらが含まれることすら知らずにいたことだろう。

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