dビデオから「dTV」への名称変更、テレビ専用のアダプタ「dTVターミナル」の登場、新たな「ザッピングUI」の採用――と、日本最大級の映像配信サービスは、4月に大きな変革を遂げた。“黒船”と噂される米大手サービス「Netflix」の今秋上陸をはじめ、他社が4Kやオリジナルコンテンツ提供といった新たな施策を打ち出していく中、dTVは国産VODサービスとして、何を目指し、この局面をどう切り拓いていくのか。BeeTV立ち上げからこのサービスを手がけるエイベックス通信放送取締役の村本理恵子氏に聞いた。
ユーザーの方により使いやすく、楽しんでもらえるサービスを提供しようと進めてきたのが今回のリニューアルです。この春は映像配信サービス事業者の大きな動きが重なったこともあり、他社との差別化を図るため、と見られることも多いのですが、サービスを開始した6年前に比べ、テクノロジや回線環境も進化していますし、今の環境でもっと楽しめるサービスを提供することを目指しました。
特に重視したのは、ユーザーがどう見たいのか、どう楽しみたいのか、そしてどんなユーザー心理を持って行動しているのか、というユーザー起点の部分。実はその部分に関してはかなりの調査を重ねています。
dTVを楽しんでいただいているユーザーはもちろんですが、それ以外のお客様が日常的にどういった時間の過ごし方をしているか、どういう心理のもとでエンターテインメントを楽しまれているか、といったベーシックな部分を見るようにしています。我々のユーザーだけでなくフラットに物事を見ることで、新たな楽しみ方を提案できます。番組作りもそうですが、サービス作りにおいても“新しい楽しみ方”をどう提案できるかが大事なのです。
映画館のスクリーンに代表されるように映像は大画面で見たいというニーズが当然ありますよね。家庭内で言えばそれがテレビで、テレビで映画やドラマを見ることは、私たちの日常に根付いている。その日常の中にdTVをきちんと位置付けないとお客様の拡大はできないだろうと考えました。
もちろんHDMIケーブルや「Chromecast」を使ってスマートフォンをテレビにつなぐことはできますが、スマートフォンの画面がそのままテレビの大画面に映し出されたり、メールが来たときに困ってしまったりしていたわけです。今まではそうした使いづらさを普通としてきましたが、それは違うだろうと。そこでテレビで見るための専用アダプタであるdTVターミナルを用意しました。
dTVターミナルはインターネットに接続し、テレビとHDMIでつなぐだけでdTVが簡単に楽しめます。外出中スマートフォンで視聴していたコンテンツを、帰宅してからdTVターミナルで再生すれば、再生を停止した部分から視聴できますし、コンテンツを新たに選びなおす手間もいりません。
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