Appleは新型「iPhone」の組み立てにこれまで以上にコストをかけており、製品寿命の延長と再販価値の向上を重視しているようだ。
これが、調査企業IHS TechnologyがAppleの新型スマートフォン2機種を分解して出した見解だ。
IHSによると、16Gバイト版の新しい「iPhone 6s Plus」の組み立てコストは、2014年の「iPhone 6 Plus」よりも1台あたり16ドル高く、その追加コストは、「3D Touch」や「Taptic Engine」によるフィードバックといった新機能だけでなく、iPhoneの製品寿命を延長するための高度な部品にかけられているという。
Appleは、iPhone所有者が少額の月額料金で毎年最新モデルにアップグレードすることのできる、新しい「Upgrade」プログラムを提供しており(現時点では米国のみ)、それを考えれば、自社端末の製品寿命と再販価値の向上に投資する発想は理にかなっている。
IHSは、16Gバイト版のiPhone 6s Plusを分解した結果、部品コストを約232ドルと見積もった。部品には、強化されたアルミ製フレーム、画面を覆う「Gorilla Glass 4」、防水性の高いシール材、アップグレードされたカメラ、そしてワイヤレスモデムが含まれる。
画面サイズが大きいため、バッテリ寿命の延長もうれしい改良点だった。2750mHaのバッテリは、初代iPhone 6 Plusに搭載されているものより少し容量が小さいが、新しい省電力機能とプロセッサによって、持続時間が延長されている。
2014年の「iPhone 6」の分解からは、iPhone 6 Plusの部品コストと製造コストは合計で同端末の小売希望価格の29.4%で、iPhone 6では31%であることが明らかになっている。
一方、16Gバイト版iPhone 6s Plusの部品コストは増加しているかもしれないが、販売価格に占める割合はそれほど増加していない。IHSの数値から、合計コストは小売価格749ドルの約31.5%であることがわかる。
Appleの利益率が高まる領域の1つは、ストレージ容量の大きいiPhoneモデルである。
「NANDフラッシュの価格は現在、非常に低下しており、容量が増加してもほとんど変わらないが、Appleは容量によって価格に差をつけている。メモリ容量を1段階上げるごとに100ドルずつ価格が挙がっている」とRassweiler氏は述べた。「例えば、64Gバイト版のiPhoneの製造コストは、16Gバイト版よりも約17ドル高いだけだが、購入者が余分に支払う価格は100ドルである」(Rassweiler氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」