2016年4月に電力小売りが全面自由化され、一般家庭が電力会社を自由に選び、電気を購入できるようになる。これに先駆け、電力比較サイト「エネチェンジ」を運営するエネチェンジは9月30日、電力会社切り替えサポートの「優先予約」を開始した。同時に、デーブ・スペクター氏、京子スペクター氏夫妻が広報アドバイザーに就任。電力小売りの海外事情に関する情報提供、広報戦略ノウハウなどの面で協力するそうだ。
今回の取り組みでは、特設ページのフォームに「氏名」「住所」「現在の電力会社の顧客番号」を登録した需要家(ユーザー)に対し、電力自由化や各社の電力料金プランに詳しい“でんきコンシェルジュ”が専用ダイヤルで優先的にサポートをする。
エネチェンジの主要コンテンツは、電気の利用状況に関する質問に答えることで、各家庭に最適な電力会社や料金プランがわかる「電気料金プラン診断」だ。診断のアルゴリズムは、同社が日本全国に配布した数千端末の独自HEMSデータをもとに構築。2014年8月のコンテンツ公開以来、平均で年間1万3000円の節約プランを提案しているという。
ユーザーの利用は無料。エネチェンジは、契約が締結した場合に電力会社から紹介料を受け取る。
同社は、英国ケンブリッジ大学での研究成果をもとに2015年4月に設立された。創業メンバーであり、同学で電力データ解析分野を研究している城口洋平氏の「スマートメーターデータ解析にもとづく電力消費統計モデルと関連制度研究」の成果をもとにしているという。現在、英国の電力データ研究所であるケンブリッジエナジーラボや、欧州で電料金比較サービスを手がけるセレクトラと提携している。
2002年に電力小売りが自由化された英国では、多くの家庭がスイッチングサイト(エネチェンジのようなウェブサービス)を利用して電力会社を切り替えているという。資源エネルギー庁や博報堂エネルギーマーケティング推進室の調査によれば、日本の低圧一般家庭顧客数は約7700万件で、そのうち46~154万件がウェブサービスを利用する見込み。エネチェンジではその半数を獲得したい考えで、今後、SEO施策を強化するほか、2016年1月にオフラインコールセンターを設置、また同月以降にテレビCMなど広告プロモーションを開始する計画だ。
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