Grofersはウェブ版とアプリ版の両方でサービスを提供しているが、今回はアプリ版での体験談をお伝えしたい。まず、Grofersのアプリを起動すると、GPSで自動的に住所を検出して近隣の店舗を表示する。左右のスワイプで食料雑貨品や生鮮食品などの店舗のカテゴリを選択できる。
今回は350ml入りのレッドブルを6本注文した。レッドブルを6本カートに追加し、決済画面へと進む。ここで届け先住所、届ける時間を入力する。プロモーションコードを入力することで、支払金額が750ルピーから20%オフの600ルピーとなった。150ルピー(約300円)の割引はとても嬉しい。
続いて、決済手段の選択画面へ。クレジットカード、ネットバンキング、オンラインペイメントサービス、代引きから選択可能。今回は代引きを選択した。注文が完了すると、注文や配達状況をリアルタイムで確認することができる。
そして、注文から90分後にレッドブル6本が配達された。住所の把握がうまくいかなかったのか、何度か住所確認の電話がかかってきたがそれを除けばスムーズだった。
Grofersは、オンデマンドデリバリーならではの便利さを消費者に提供するのはもちろんのこと、地域の小売店にも販売促進を通して大きなメリットを提供している。さらに、インドでは郊外の村から都市へ仕事を求めてやってくる人が多くいるが、Grofersはデリバリーボーイ3000人の雇用も生み出している。
最近では小売店と協力して、インドの劣悪なサプライチェーン問題の解決にも取り組み始めているようだ。Grofersは独自の倉庫をデリーやムンバイに設置し、商品のピックアップを効率的、迅速にしようとしている。倉庫とデリバリープラットフォームをテクノロジによって結びつけることで、効率的な在庫管理や追加発注すべき商品の判断を容易にしているのである。
このようなハイパーローカルの即時配達サービスが成立している背景には、およそ月額1万3000ルピー(約2万6000円)というデリバリーボーイの賃金の低さがある。日本にGrofersとまったく同じ形態のサービスを輸入してもコストの面から難しいだろう。
このようにインドと日本では、貧富格差の大きさやインフラの整備状況、文化や価値観など多くの違いがあり、生まれるサービスも異なっている。今後も現地のITスタートアップの紹介を通して、インドマーケットの情報を提供していく。
(編集協力:岡徳之)
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