インドで急成長するハイパーローカルデリバリー「Grofers」 - (page 2)

 今回は、数あるインドのハイパーローカルデリバリーの中でも、地場のスタートアップとしては最高額となる4550万ドルの投資を受けた総合系の「Grofers」を紹介する。Grofersが取り扱う商品は、食料雑貨品、生鮮食品、電化製品、コスメ用品、子ども用品、ペット用品など多岐にわたる。

 Grofersは、2013年12月にBtoBのハイパーローカルデリバリーサービスを開始し、その後BtoCに転向した。これまでに米国のトップVCであるセコイアキャピタルとタイガーグローバルマネジメントから資金を調達しており、企業評価額は1億1500万ドルに上る。


「Grofers」のウェブサイト

 従業員数は2014年12月の180人から、わずか半年で3300人にまで急増。展開する都市もデリー、ムンバイ、バンガロールなど、インドの主要都市を中心に27都市をカバーしている。1日あたり平均1万3000のオーダーが発生し、平均購入価格は560ルピー(約1000円)である。

 インドには「Kirana」と呼ばれる小規模の小売店が数多くあるが、日本のコンビニエンスストアのように何でも揃う店は基本的にはない。そのため、買い物をするにはクルマやタクシー、オートリキシャーなどに乗って店に行き、欲しいものをカゴに入れて、長いレジの列に並び、重いバッグを持って帰らなければならず、時間と体力を消耗してしまう。

 Grofersを使えば、自宅にいながら地域のお気に入りの店舗にオンラインで注文し、90分以内に商品を受け取ることができる。自宅だけでなくオフィスから注文して、家に帰るころには商品が配達されているといった使い方もできる。

 配送料金は45ルピー(約90円)と非常にリーズナブルだ。決済手段は、現金支払いはもちろん、クレジットカードやオンライン決済も可能。さらにプロモーションコードを使ってお得に利用することもできる。初回利用時に使える20%割引のコードも配布されている。

 近年日本では、イオンのようなショッピングモール、Amazonや楽天のようなオンラインショッピングサイトの普及により、商店街などローカルの小売店は大きな打撃を受けている。これはインドでも同様だ。Grofersなどハイパーローカルデリバリーサービスは、このような地域の小売店に対して新たな販売経路を提供している。

 ローカルの小売店は、Grofersのプラットフォーム上に商品を掲載するだけで、地域の消費者にアクセスでき、自前で配達網を構築しなくてもGrofersのデリバリー機能を利用して即時配達が可能になる。いくつかの小売店では、売り上げの30%がGrofers経由ということも起きているようだ。

 Grofersの収益源は、小売店からの販売手数料と消費者からのデリバリー料金の2つだが、メインは小売店からの販売手数料だ。食料雑貨店からは6~7%、パン屋などからは20%の販売手数料を受け取っている。

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