ファッション性を重視したデザインの「Apple Watch」に対し、世界最高級ファッションブランドの1つが近いうちに競争相手となるかもしれない。
Dom PérignonからLOUIS VUITTONやFENDI、De Beersまで、多方面に事業展開する高級品のコングロマリットであるLVMHが、テクノロジ企業との提携関係を通じてスマートウォッチ事業に参入することを計画している。
The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間10月17日に掲載したインタビューの中で、LVMHの腕時計部門を統括するJean-Claude Biver氏は、スマートウォッチの開発に向けた提携について同社が現在、あるテクノロジ企業と「何らかの協議」を行っているところだと述べた。「恐らく9カ月後にはスマートウォッチを用意できているだろう」とBiver氏はいう。スマートウォッチのデザインを具体的にどの企業に任せるか、同氏は明らかにしなかった。
スマートウォッチの分野はここ1年で確実に定着しつつあるが、その背景には、コンピュータ業界が次の大きな潮流を探し求めており、テクノロジが新たな水準に達し、消費者が少しずつ興味を示し始めている現状がある。
9月にはAppleがApple Watchを発表し、金メッキとスタイリッシュなベルトを備えた高級志向の「Apple Watch Edition」によって既存のコンセプトを覆そうとした。Motorola Mobilityの「Moto 360」も、市場に出ている他社製品よりファッション性の高い製品と考えられる。
WSJとのインタビューの間、Biver氏がとりわけ念頭に置いていたのはAppleだ。同氏はWSJに対し、他の企業もスマートウォッチに挑戦しているが、「Appleがやると売れる」と述べた。そしてこれをきっかけに、LVMHは自社の高級ファッションブランドをスマートウォッチ技術と融合させる方法を検討することになった。
それは簡単な仕事ではないだろう。Biver氏自身が指摘するように、Appleは数年ごとに新しくなる製品を作り、人々も喜んでそれについていくビジネスを展開している。一方のLVMHは、一生ものとされる製品に重点を置いている。
Biver氏は、LVMHのどのブランドがスマートウォッチを手がけることになるか明言しなかったが、同社はBulgari、TAG Heuer、FRED、Hublotなど、複数の腕時計メーカーを所有している。
米CNETはLVMHにコメントを求めたが、まだ得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス