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9割が首をかしげるタイミングを狙うべき--メタップス佐藤航陽CEOインタビュー - (page 3)

藤井涼 (編集部)2015年09月17日 11時50分
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 ネガティブな話でいうと、非上場のデメリットが大きくなってしまったというのがあります。これは他のベンチャーの方々からは共感されにくい理由なんですが、アメリカや中国の企業と競っていると、やはりスピードが重要なんです。アメリカで事例ができた後だと、グローバルではもう遅いですよね。資金調達や海外展開をしようとしても、アメリカにすでに市場を押さえられていますから。

 一方で日本は、事例ができてないタイミングでは、投資してもらえないというパラドックスがあります。そうすると、攻めたいタイミングでスピーディにファイナンスができる環境にすることが、今後の命運を分けるだろうなと。実は前回のファイナンスも、前々回のファイナンスも、資金調達までに1年間くらい掛かっています。なぜかというと、声をかけはじめるタイミングでは、アジアの投資家からみると(メタップスの事業は)早すぎると言われるんです、そんな市場はないと。


8月28日に東証マザーズに上場(写真提供:メタップス)

 ただ1年もすると、これは投資しておいたほうがいいなという話になります。IT業界の1年間というのは、世の中が変わる1年間です。やはり3カ月間くらいで攻めようと思ったタイミングで、良いと思ったら投資をして、ダメだと思ったら売れないと厳しい。そこで、より流動的な資金が得られる環境に身を置きたいという思いがありました。

 それと、私は資本や経済について調べるのが好きなのですが、やはりお金の本質を一番ついているのは株式市場です。そこを経験せずに経済のことを語るのはおかしいと思っていて、(上場によって)自分や社内外がどう変わっていくのかを、確かめるべきだと思ったことも理由の1つです。

 資金調達でいうと、今回の調達と前回(43億円)の調達は離れているものではありません。私は事業展開のために100億円の資金を調達しておきたいと思っていたので、非上場とIPOで50億円ずつ、合わせて100億円を調達しようと考えて、2回に分けたということです。

--赤字での上場となりましたが、今後の業績の見通しは。

 黒字にして上場することもできたと思います。今期ではなく来期のタイミングにもできましたが、私は人生の中で一番大切なのは時間だと思っています。自信があるのであれば、このタイミングでいいかなと思っています。楽天やソフトバンクなど今も生き残っている会社を見てもそうですが、当時はボコボコに言われていましたよね。逆にあのタイミングで絶賛されていた会社はほとんどなくなっています。

 長期スパンで見たときに、むしろそう言われている方が、私としては安心ですね。事業を始めるときも、「こういうことをやりたいと思っている」と周りの人やVCに話して、「素晴らしいね、うまくいくよね」という反応が返ってきたら、それはもう時代遅れのものだと思っています。首をかしげる人たちが8~9割で、一部の先端を行っている人だけが頷いているタイミングこそ行くべきだと思っているので、まだ訳の分からない会社であるうちは先を行けていると思います。


 この会社ってこういうことをしているよねとカテゴライズされたり、一言で言えてしまう会社はむしろ先がないと思っていますし、世の中にも価値を提供できてないと思っています。それは、価値というのは古いものを壊して新しいものに作り替える瞬間だと思うからです。

 Uberもタクシーアプリと言われていますが、本人たちはそうは思っていないですよね。恐らく物流をコントロールする会社だと思っているはずです。Airbnbも旅行や宿泊の会社ではない。シェアリングエコノミーという、広義の経済の仕組みそのものへの答えを出していて、かつそれを応用できるところに価値があるのだと思います。

--今後、メタップスからもUberやAirbnbのような世の中を変えるサービスは生まれるのでしょうか。

 そうですね、やりたいとは思いますが、私は新しいサービスを提供している気はあまりないんです。収益化って英語でいうと「Monetization」ですよね。この言葉の語源は「Money」なんです。metapsはアプリの収益化プラットフォームですが、SPIKEも決済の仕組み、お金の移動の仕組みなのでテーマは一緒で、やっていることは同じです。

 なので、今後もその延長線上のサービスはどんどん作っていきたいと思っています。それが違う名前になったり、違う顔に見えたりすることがあるかもしれませんが、テーマは変わりません。私たちはイノベーションを起こしたい会社ではないんです。あるテーマを深堀りしていると、それが革新的に見えたりするだけであって、本人たちは当たり前にこうなるよねという未来に対して、手を打っているだけなんです。

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