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9割が首をかしげるタイミングを狙うべき--メタップス佐藤航陽CEOインタビュー - (page 2)

藤井涼 (編集部)2015年09月17日 11時50分
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 基本的にはローカルの現地スタッフに任せるスタイルでやっているので、日本人は日本のオフィスにしかいないですね。日本が司令塔の役割を持ってはいますが、採用から組織の設計、インセンティブの設定まで彼らに任せています。そこはやはり国ごとの商習慣があるので。グローバルではmetaps事業がメインで、基幹システムを国ごとに若干カスタマイズして提供しています。あとは毎週テレビ会議で課題を洗い出しています。


 売上比率が高いのは東アジアですね。特に大きいのが中国、韓国、日本です。まだまだ欧米は規模的には大きくないので、そこは課題です。言語圏もあると思いますが、圧倒的に違うのは白人とアジア人のカルチャーです。言語が違っても人種が近いと結構うまくいくので、これは文化の問題なんだなと。たとえば、中国の正しさとアメリカの正しさは別じゃないですか。教育の根本が違うので、お互いのビジネスで揉めるんですよね。日本はこの中間にあって、どちらにも寄っていないのかなと。

 今後もユニバーサルなサービスを1つ作って、それを各地のマーケットにローカライズしていくやり方は変えないと思います。私たちは情報を解析して扱う会社なので、そういう意味ではスマホにこだわっていないですし、アプリにもこだわっていないですね。データがあればどんなビジネスもできると思っています。

--2015年に入り、ロボット開発者のマネタイズ支援プラットフォーム「Metaps Robotics」や、ビックデータ解析と超小型人工衛星を活用して、地球上の変化を読み解くシステムの研究などを始めました。

 ここについては、デバイスの普及を待っている状況です。私たちはいつでも準備できる体制はできているのですが、結局ハードウェアが普及しない限り、ビジネスが拡大しないというのは、スマホの時に理解しているので、ここは早すぎても遅すぎてもダメです。ウェアラブルやIoTについても、結構なシェアをとらなければビジネスが成り立たないので、そこは何が一番早くくるのか、タイミングを見計らっているところです。


ロボット開発者のマネタイズ支援プラットフォーム「Metaps Robotics」

 ただ、世の中は確実にデジタル化していきます。たとえば、Eコマースやアプリのビジネスだと、ユーザーがどこから来ていくらくらい落としてくれたから、費用対効果はこれくらいという話ができますが、これまでリアルの店舗だとそれができなかった。お客が何を見に来たのかも分からないですし、いくら払ってきたかもトラッキングできない。そのせいで、マーケティングも雑なところがあったと思いますが、そこがデジタル化によって正確に分かるようになると、徐々にリアルでのマーケティング戦略もネットに近づいてくると思います。そうなった時、いま私たちがアプリ事業者やEC事業者に提供しているサービスが、徐々に小売店などにも広がっていくと思います。

 あとは家電メーカーなどですね。いまはどうやって使われているのか理解しきれていないところもあると思いますが、これらがネットにつながると、どの時間に起動しているかとか、使う上での問題点などがリアルタイムに分かるようになります。もしかしたら、実際に使っている人がターゲットとズレているかもしれません。そういった今まで理解できていなかった曖昧な部分が、データとして可視化できるようになれば、私たちが彼らのマーケティングや経営を効率化していくチャンスは無限にあります。なので、将来的に自動車メーカーや家電メーカーが私たちの顧客になっても、いまやっていることをそのまま横展開できると思います。

--メタップスの経営陣を見ると、元国務大臣の竹中平蔵氏や、元グーグル名誉会長の村上憲郎氏、元スクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏など、そうそうたるメンバーが名を連ねています。

 私ができないことをできる人に参加していただいています。かなり面倒くさがりな性格なので、自分で彼らが持っているノウハウや人脈を構築しようとすると、何年かかるか分かりません。自分でやるくらいなら、それを持っている人や知っている人にお願いしてすべて任せてしまって、自分は自分にしかできないことをやるべきだと思っています。

 SPIKEもそうですが、決済の領域も私はまったく知らなかったので、金融業界にいた人材を連れてきていて、いまはチームの中にいます。なので私が本当に身につけるべき能力は、自分にできないことをできる人を連れてくること。逆にそれができれば、いかようにでもなります。得意、不得意というものが関係なくなりますよね。これはグローバルも一緒で、誰に任せようかという基準でやっています。完全に私が見なくても、私よりうまくやってくれるのは誰なのかと。

--佐藤さんのリーダー論を聞かせてください。組織を率いていく上で人に任せることは大切ですが、その一方でリーダーシップを発揮する必要もあると思います。

 そこは、相手に諦めてもらえるかだと思っています。「こいつ訳わかんないこと言ってるな。でも絶対やるって言ってるし、しょうがないから助けてやるよ」と言わせられるくらい、その一手に対して思いがあるかどうかだと思います。命がけでこれをやりたいと思ってる人って少ないじゃないですか。逆にそれを持ってる人の言うことは聞いちゃうと思うんです。「そこまで言うならやりますよ」と。

 やりたいことをどれだけ明確にできるか。それから共感を得られるかというその一点こそが、替えがきかない領域だと思っています。能力や経験、人脈は替えがきくので、そこは私が身に着ける必要はないと思っています。リーダーに必要なのは、「どうしてもこれがしたい。なぜなら……」という話を、誰よりも明確にできて、そのストーリーで納得させられるかどうか、これだけだと思っています。

--上場についても教えて下さい。2月には43億円の大型調達もしていますが、あえてこのタイミングで上場した理由は。

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