Appleはサンフランシスコで開催のイベントで、アップデートされた「iPad mini 4」や他のiPadラインアップの値下げとともに、大型タブレット「iPad Pro」を発表した。この12.9インチの新タブレットは「iPad Air」と同じくらい薄く、新しい64ビットチップ「A9X」を採用。Appleの最新ソフトウェア「iOS 9」を搭載し、「Apple Pencil」というスタイラスや、「Smart Keyboard」アクセサリと連携する。
新モデルiPad Proは「iPad Air 2」より78%大きく、米CNETのScott Stein記者は巨大だと評している。重量は1.57ポンド(約713g)と初代iPadとほぼ同じで、厚さ6.9mmはiPad Air 2の6.1mmとほとんど変わらないので、それほど扱いにくいわけではないが、片手で持つのは少し厳しいだろう。12.9インチのスクリーンは2732×2048ピクセル解像度の「Retina display」で、2つのアプリを並べて表示させても快適に使用できる大きさだ。ただ、その巨大なサイズのために、タブレットというよりむしろノートブックのように感じられる。必ずしも持ち運びを念頭に設計されているわけではない。
デザインとともにプロセッサも新しくなった。Appleによると、iPad Proに搭載のA9Xチップは「A8X」より1.9倍高速で、グラフィックスパフォーマンスは80%のノートPCを上回るという。また、バッテリ持続時間は約10時間とされている。
この新たなiPadファミリーの興味深い点は、内部に収められた高速な新コンポーネント以外にも、ハイエンドのアクセサリがある。なかでも目を引くのが、感圧式スタイラスApple Pencilをサポートしている点だ。グラフィックスや写真で非常に正確な作業が可能になるという。
Apple PencilはiPad Pro専用に開発されたもので、同タブレットのスクリーンの反応センサが位置や筆圧、傾きを感知する。Apple Pencilは独自のバッテリを搭載しており、「Lightning」アダプタを使ってiPad Proに差し込むことで、簡単に充電することができる。筆圧の強弱によって線の太さを調節できる機能と、精度の高い描画が可能という2つの特徴に、グラフィックデザイナーなどのクリエイティブプロフェッショナルは満足するだろう。さらに、先端に内蔵された2つのセンサが発する信号によって濃淡が生まれるため、詳細な図を描くこともできるはずだ。
iPad Pro専用キーボードSmart Keyboardは、Microsoftの「Surface Pro 3」向けキーボードと見た目がそっくりで、機能も似ている。ファブリック素材でできており、カバーとして広げると物理キーボードが現れ、iPad Pro側面の3つの小さな円と磁石で接続する。3つの円は「Smart Connector」と呼ばれ、電力とデータを送ることができる。
米Logitechなどのアクセサリメーカーが既に提供している製品を彷彿とさせるが、Appleのアクセサリに新しい機能はない。トラックパッドも感圧式キーも非搭載だ。それでも、Smart Keyboardの使い勝手は良好で、iPad Proにぴったりと装着できる。
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