三越伊勢丹グループは、デジタルとファッションの融合による、新しいライフスタイルを提案する「彩り祭」をスタートした。伊勢丹新宿本店を中心に、グループの各店で9月8日まで開催する。
これは常に時代の一歩先を行く新しい価値を提案することを強みとする同グループの「ファッショナブルでワクワクするあたらしいデジタルの提案への挑戦」だという。
4月のApple Watch発売の際には、高額モデルは218万円(税別)という18Kゴールドの「Apple Watch Edition」も取り扱う「Apple Watch at Isetan Shinjuku」が伊勢丹新宿本店にオープンしたことでも話題になった。
三越伊勢丹グループはこれまでも、接客力や情報発信力、ライフスタイルの提案力などのアナログの部分に、積極的にテクノロジを取り入れてきている。
伊勢丹新宿本店・メンズ館には約560個のBeaconを設置しており、位置情報の受送信を行えるという。これにより、トップ販売員の接客技術をウェアラブル端末やBeaconなどで分析し、データをもとに従業員育成や販売機会ロスの削減に向けた業務改善、要員配置計画に活用している。
もっと利用者に身近なところでは、スマートフォンアプリ「ISETANナビ」を通じ、Beaconと連動して店内のナビゲーションや各階のおすすめ情報の発信などをタイムリーに発信できるようになっている。
そんな三越伊勢丹グループが、今回の彩り祭を通じてデジタルとファッションが融合するあたらしいライフスタイルを多数紹介してるほか、デジタルとファッションの融合の観点から、他企業と協業した日本初のイベントなども開催している。
Beats by Dr.Dreのヘッドホンなど比較的多くの人がなじみのあるものから、フランスのウェアラブルデバイスメーカーWithingsのスマートウォッチや活動量計Misfitの「Shine」、スマートフォンと連動するコーヒースケール、伊勢丹おなじみのタータンチェック柄をまとったロボット「Pepper」など、さまざまなガジェットやロボットが見られる。
中でも注目したいのは、7月にアジアで初めて日本で開催されたファッションとテクノロジを繋ぐ世界的イベント「DECODED FASHION」で選ばれた受賞作品の展示だ。
DECODED FASHIONでは、ファッション×テクノロジの分野で優れたサービス、商品を持つ企業を世界から募集し、優勝者を決めるコンペティション「THE ISETAN CHALLENGE」が開催され、世界初のデジタル技術を使用したミラー「memomi」が優勝し、縫い目のない服を作る3Dプリンタ「ELECTROLOOM」が準優勝に選ばれた。
memomiは、試着した姿を360度から確認できるメモリ機能付きのミラーだ。見た目はディスプレイというよりも65~70インチの鏡だが、先に試着した姿の画像と今の自分の姿を比較したり、なかなか見づらい後ろ姿と比較して画像で確認したりできる。さらに衣服の色を変えられるほか、画像を保存してSNSでシェアしたりメールで送ったりできる。
実は内部には最新世代のインテル Core i7プロセッサやIris GPUを搭載するなどしており、サンフランシスコで行われたイベント「インテル・デベロッパー・フォーラム」でも紹介したところ、好評だったという。
ELECTROLOOMは、ポリエステルと綿を含む液体を、型紙の上に噴霧することで、縫い目のない衣服が作れる“未来の洋服の作り方”を提案したもの。プリンタは展示されないが、ELECTROLOOMで作られた布やノースリーブの服が見られる。
また、伊勢丹新宿本店とサイバーエージェント・クラウドファンディングとの協業による「ISETAN × Makuake クラウドファンディングPROGRAM」では、応募プロジェクトのプロダクトを展示するリアル店舗のコーナーが設けられている。
窓がない部屋でも美しい風景が楽しめるデジタル窓「Atmoph window」や、イタリアの木でできたオーガニック時計「AB AETERNO」、木枡と電子部品を組み合わせ、少し傾けると光る枡「光枡」、墨汁染め、ろうけつ染めといった染色法を用い、日本古来の美意識を表現する職人系のモードブランド「YOHJI YANAGISAWA」の服、アナログレコードプレーヤーなど5つの製品が展示されている。
展示場所や展示期間は製品によって異なり、詳細はウェブサイトで見られる。
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