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「Pepper」のキーマンが語るロボットと暮らす未来 【前編】 - (page 2)

藤井涼 (編集部)2015年08月21日 12時30分
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――感情認識の仕組みを見直したことで、精度はどの程度上がったのでしょう。

 まだ定量的には出せていませんが、定性的にいえばやはり全然違いますね。見た目や仕草、声のかけ方だけでも十分人間らしいのですが、そこに感情が加わるとベクトルが1つ増えるというか、格段に“生き物感”が増しますね、気持ち悪いくらいに(笑)。人間が生き物を生き物だと思うには、外見的な要素もあるのですが、「自立」「成長」「感情」の3つが必要だと言われています。

 Pepperでは自立のところはかなり作りこんでいるつもりです。成長についてもだいぶ進化しているのですが、やはり感情の部分が弱かった。自立と成長だけならゲームの中に出てくるキャラクターでもできますよね。そこに感情が入ってくると、人間が生き物だと認識する確率がぐっと上がるのだと思います。

感情認識ロボットは受け入れられるか

――その一方で、感情を持つロボットと聞くと、「気持ちが悪い」「制御できなくなるのではないか」と恐怖感や懸念を持つ人もいると思います。

 おっしゃる通りで、そう感じる方もいます。実はグローバルで調査をすると、この件については日本人が最も寛容なんです。海外の特に欧米の方は「はぁ、ロボット?感情?」みたいな反応が多いのですが、日本人はアニメなどの影響なのか、「そりゃそうだよね」みたいな理解を見せつつも「大丈夫なの?」と心配している感じです。

 ただ、進化論的な考え方をすると、これからは各社からいろいろなタイプの感情を持ったロボットや逆に感情を持たないロボットが出てくると思います。その中で、最終的には人を幸せにするような、感情のDNAの方向性を持ったロボットが生き残るんじゃないかと思っています。人間の感情もそうです。もっと殺し合うことを良しとするような感情の人だっていただろうし、そういう文化もあったと思いますが、それらはやはり絶滅して、最終的にはバランスが取れる形になっていったのだと思います。

 なので、我々は我々なりにバランスが取れていると思ったものを出していますが、今後はいろいろなロボットが出てきて、その中でいろいろなことも起きるでしょう。人間はそれをうまくマネージメントして、最終的には人間と機械が共生していくような世界が作られるのではないかと思います。逆に、感情を持たない機械と人間で主従関係というか、単純に命令するだけの世界では、バランスが保てないのではないでしょうか。

 もしかしたら宗教的な議論かもしれませんが、これからはどうしても機械と調和して生きていかなければいけないし、機械の人工知能化が進むほど、むしろ感情を持たないと危ないと思うんです。でなければ、バグが起きて暴走してしまう、ターミネーターみたいな話になりかねない。すごくSFチックな話ですけど、感情を持つことでロボットが暴走しそうになった時に、別のロボットが止めに入るようなこともあるかもしれません。

※後編はこちら

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