UPQ(アップ・キュー)は8月6日、「生活にアクセントと遊び心を。」をコンセプトとした家電・家具ブランド「UPQ」を展開すると発表した。
ラインアップは全17種24製品。性能とデザインを兼ね備えながら、手に取りやすい価格帯であることが特長だ。製品は、4K/120Hz表示対応の50インチディスプレイやSIMフリースマートフォン、アクションスポーツカメラ、自撮り棒としても使えるハイスペックな電動スタビライザー、ガラスのキーボード、スマート電球など多岐にわたる。
コストパフォーマンスにも注力しており、中でも4K対応の50インチディスプレイはチューナを非搭載にするなどして、7万5000円(税別)と低価格に抑えた。最新のOS「Android 5.1」を搭載したSIMロックフリーのLTEスマートフォンは1万4500円(税別)。「国内最安クラスになるのではないか」と自信を見せる。
いずれもウェブショップDMM.make STOREにて販売中だ。
UPQは、7月に設立されたばかりのベンチャー企業だ。カシオ計算機で携帯電話やスマートフォンの商品企画を手がけた経験を持つ中澤優子氏が設立し、代表取締役に就任している。
中澤氏はカシオ計算機の退職後、秋葉原にカフェを開業。カフェの近くで開催されていたハッカソンに参加したという。「ハッカソンという言葉も知らなかった」としながらも2014年10月にIoT弁当箱「XBen(エックス・ベン)」を企画・開発。それをきっかけに「再び“通電モノ”を手がけたい」との思いが強くなったという。
その後、中澤氏は起業や新規事業、新製品開発などを目指す人を支援する、経産省フロンティアメイカーズ育成事業に採択された。UPQの立ち上げには、経産省フロンティアメイカーズ育成事業のプロジェクトマネージャーだったCerevo 代表取締役 CEOの岩佐琢磨氏が協力している。
発表会には岩佐氏も登壇し、「『やってみたらいいんじゃないか』と引き受けてみたものの話が重たい。個人のお金でできるものでもないだろう。会社化して、外部の資本をいれてやったほうがいいのではと勧めた」と経緯を語った。
Celevoは業務委託として商品の輸出入や品質管理、製造などを担当。「Celevoは縁の下の役回り。得てしてハードウェアスタートアップ、というともっとテクニカルで、“この技術がキモ”というのがでてくることが多いと思うが、新しいスタートアップがあってもいいのではないか。いい意味で女性らしい。ハードウェアスタートアップは汗臭いが、そうじゃないところがいい」(岩佐氏)。一方の中澤氏は、「汗臭くないというけれど、この2カ月ずっとここ(DMM.make AKIBA)で寝泊まりしていて、お風呂は銭湯」と語り、記者たちの笑いを誘った。
「UPQはほぼ一人でやっているので、従業員がいない」(中澤氏)ことに加え、ネット販売にしぼっていること、価格競争力のある製品に注力している点もポイントだ。製品を作るにあたっては、「価格競争力がないものは(製品化から)落とした。やってみると、工場の値段はこれなのに、実売は(高い)……。米国ではこの値段なのに国内では──という点が見つかってくる」(岩佐氏)と説明する。
UPQの第1弾となる製品は、ブルーとグリーンの中間色で構成された「blue x green(ブルー・バイ・グリーン)」で統一。スマートフォンなどのカラーバリエーションモデルも、すべてにblue x greenがポイントとしてあしらわれている。
カラーのこだわりについて、「2015年夏のトレンドカラーはブルーとグリーンの2種類があり、その2種類を掛け合わせたもの。家電で見たことがないカラーをチョイスした。これは、製品の開発期間が約2カ月だからできたこと。トレンドの色を見てからでも作れるというのがおもしろいのではないか。今後も季節に合わせたもの、今までにない、世の中にあったらびっくりするだろうなという色をチョイスしていきたい」と説明した。
これだけの製品を作るには、2カ月という開発期間は短すぎるようにも思えるが、「(モノづくりの)順番が分かっていればできる」(中澤氏)と説明する。なにがリードタイムでかかり、かからないのか。製品は単なるODMではなく、「オリジナルブランドとしてほぼカスタマイズしている」という。中でもSIMフリースマートフォンやスーツケースは型も自らおこしたもので「自分のデザインで完全なオリジナル」と自信を見せた。
なお、第2弾以降は新たなカラーを採用し、シーズンごとにテーマカラーをラインアップに反映するとしている。
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