東京・世田谷区の二子玉川にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)がオープンした「蔦屋家電」は、家電店らしくない家電店だ。店内入口近くには雑誌や書籍などのブックコーナーがあり、その横にはスターバックスによるカフェスペースが並ぶ。左手から奥に向けて伸びる家電コーナーも、デジタルカメラやPC、テレビなどが整然と展示され、家電のすぐ横には関連書籍や文房具などが置かれている。
「コンセプトはアート&テクノロジー」、「お客様に提案したいのは家電商品ではなくライフスタイル」と、従来とはまったく違う形態を具現化した蔦屋家電の館長兼店長である白方啓文氏に、CCCが家電店を手がけた理由とその狙いを聞いた。
居心地や店内の雰囲気はお客様に喜ばれているように思います。家電商品の販売自体は、すぐに売り上げを上げるというよりも、今は提案しながら、約7~8年という言われる買い替えサイクルに合わせて、お客様とじっくりと向き合っていきたいと思っています。
いろいろな理由があるのですが、私たちはモノを売っているのではなく、お客様にライフスタイルを提案しています。今までは本、CD、DVDなどをパッケージ商品を使って提案していましたが、さらにライフスタイルを一変させたものとはなんだろうと考えた時、家電なのではないかと思いました。
例えば白物家電は、手でやっていた洗濯や料理を家電が請け負うことで、女性の自由な時間を増やすことができました。次に、テレビが登場したことで、ライブで見ていた野球や相撲をテレビを通じて見るというライフスタイルの変化につながっています。また、パソコンがインターネットにつながることで、世界の情報が見られるなど、今まで想像もできなかったようなものが当たり前の世界になりました。家電は人々のライフスタイルを一変させました。
こうした動きはもちろんですが、最も大きなフックになったのが「iPhone」です。この登場前後で人々のライフスタイルは一変していますし、これから先を考えてもスマートフォンが1つの軸になることは間違いない。それほどライフスタイルを一変させる力があるので、何かチャレンジしたいと考えたのが蔦屋家電のスタートです。
はい。ですから、デジタルカメラはiPhoneのカメラに近い性能と思われる普通のコンパクトカメラは置いていませんし、スピーカもiPhoneと連携できるBluetooth対応商品のみを扱っています。スマートフォンのカバーなどもiPhone用だけですし、携帯電話の端末はiPhoneのみを扱っています。
テレビも50インチ以上の4Kタイプのみを販売していますが、それもiPhoneで撮影した画像を大画面で、きれいに見るにはやはり4Kだろうということで選んでいます。
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