楽天は8月6日、2015年度上期の連結決算を発表した。売上高は3320億600万円(対前年同期比20%増)、営業利益は552億8900万円(同23.5%増)で、純利益は277億7200万円(同20.3%増)だった。前年同期に発生した消費税増税前の駆け込み需要の剥落があったものの、EC事業やインターネット金融事業が収益を押し上げた。
国内グループの流通総額は、対前年同期比24.2%増の1兆8738億円。2014年11月に提供開始したフリマアプリ「ラクマ」も順調に成長しているという。海外ではキャッシュバックサービス「Ebates」の流通総額が同48.8%増の10億1000万ドルにまで大きく成長。「楽天市場」の海外消費者向け流通総額も、中国が同66.8%増、米国が同80.5%増、香港が84.3%増と好調だった。
モバイルメッセージングサービス「Viber」やMVNOサービス「楽天モバイル」は戦略投資を継続している。Viberは買収後にCMO(Chief Marketing Officer)を雇い、各国の市場にあわせたマーケティングを展開。ゲームやスタンプでの収益化を試している。ユニークID数は、2015年6月末時点で6億600万件。同月の月間利用者数(MAU)は対前年同期比で40.5%増えたという。
楽天代表取締役で副社長執行役員の山田善久氏は「将来の種を育てている段階であり、2015年度末までに黒字化しようとは思っていない。赤字額が一定に保たれていれば問題ない」と説明した。
8月1~5日に東京ビックサイトで開催した大規模リアルイベント「楽フェス」については、予算が「トータルでは若干の持ち出しになっている」(同氏)としつつも、プロモーション施策として効果があるため、今後の継続的な開催を検討するとした。今回の来場者数は非公表とのことだが、「想定していた2倍ほど」が来場したという。山田氏は「大成功だった」と感想を述べた。
楽天は今回初めて、決算会見を新社屋「楽天クリムゾンハウス」(東京・二子玉川)で開いた。
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