楽天とヤマトホールディングスは7月6日、EC事業の連携を強化すると発表した。消費者が「楽天市場」で購入した商品を全国のコンビニやヤマト運輸直営店で受け取れるようにするほか、楽天市場出店店舗の業務効率化支援策、新規出店者への優遇策を新たに始める。両社はこれまで、物流の需要予測面などで一部システムを連携させていた。
店頭受け取りは、夏頃に全国のコンビニ2万店舗、2015年度中にヤマト運輸直営店4000店に対応させる。ヤマト運輸直営店では保冷輸送の「クール宅急便」も使えるようになる。対応するコンビニは、ファミリーマート、サークルK、サンクス、デイリーヤマザキ、スリーエフ、ポプラ、生活彩家、スリーエイト、セーブオン、くらしハウス、ココストア、ニューデイズ。
商品を受け取れるコンビニにセブン-イレブンは含まれていないが、ヤマトホールディングス代表取締役社長の山内雅喜氏は「セブン-イレブンは商品を発送する場所として契約している」と説明した。なお同社はローソンとは取り引きをしていない。
店舗支援では、ヤマトホールディングスが6月1日に発売した、受注から伝票発行、配送、決済までを一元管理できるEC事業者向けパッケージサービス「YES!(Yamato Ec Solutions)」を、楽天市場出店店舗に特別価格で提供する。また、新規出店者に対して、YES!と楽天市場新規出店プランを組み合わせた連携プログラムを新たに提供し、出店料金の20%をキャッシュバックする。
楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、「日本のEC化率4%は、欧米や中国に比べて遅れをとっている。EC化率を上げるため、ECの利便性を向上させるために、今回の連携強化は、EC事業者や消費者にとても大きなメリットがある」と述べた。
楽天は4月にゆうパックの受取ロッカーサービスで日本郵便とも連携している。三木谷氏は同発表会見の席上、「楽天市場としては、さまざまな配達ニーズに応えていきたい」と、配達サービスに注力することを強調していた。
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