NTTドコモは7月29日、2016年3月期第1四半期(4~6月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比0.1%増の1兆768億6400万円、営業利益は同12.3%増の2353億9500万円、純利益は同23.8%増の1687億8400万円となった。「dマーケット」をはじめとするスマートライフ領域が好調だったほか、コスト効率化も進めたことで増収増益となった。
「振り返ってみると4年ぶり、2012年3月期以来の増収増益。2014年度に築いた礎をベースに、2015度は成長に向けて結果にこだわると言ってきた。その第一歩として順調な進捗だと考えている」――ドコモ代表取締役社長の加藤薫氏は、久々の増収増益にこう手応えを語った。
純増数は、前年同期の46万の約2倍となる94万契約に増加。MNP(携帯電話番号ポータビリティ)による他社への転出も7割減の3万契約まで減少した。2台目需要としてタブレット端末の販売数が増加しており、前年同期比57%増の45万台となった。加藤氏は、今後スマートフォンの販売増が緩やかになる一方で、タブレットの需要はさらに高まると見ている。
2014年6月に開始した新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」は、1年で2100万契約を突破。このうちの7割が「データMパック」を選んでおり、1Gバイトの追加データ購入率は3割以上に拡大しているという。また、3月に開始した固定通信サービス「ドコモ光」の累計申込数は約60万となり、そのうちの半数が家族間などで利用できるシェアパックを選んでいるとした。また、3割がモバイルを新規契約するなど相乗効果が見られるという。
なお、ドコモでは2015年度からARPU(1人あたりの月間平均収入)の定義を変更。パケットARPUとドコモ光ARPUを合算した数値を「データARPU」とする。第1四半期は、前年同四半期と比べて、音声ARPUが30円減少したが、データARPUが70円増加し、5060円となった。
モバイルと親和性の高いコンテンツを取り扱う“スマートライフ領域”の営業利益は前年同期の3.6倍となる230億円。加藤氏によれば、2014年度の同領域の取扱高は2兆7000億円で、2015年度は3兆円を目指すという。その上で、2015年度は営業利益で年間500億円を達成したいとした。
直営ストア「dマーケット」の契約数は1235万。6月末時点で「dTV」が453万契約、「dヒッツ」が305万契約、「dマガジン」が205万契約、「dアニメストア」が192万契約、「dキッズ」が51万契約を超える。5月末に開始した「dグルメ」は約1カ月で28万契約を達成しており、直近の7月25時点で40万契約を超えた。dマーケット1人あたりの利用料も前年同期比で約3割増となる1200円となった。
ところで、ドコモ子会社でスマートフォン向け放送局「NOTTV」を運営するmmbiが、6月末の決算で約500億円の純損失を計上していることを明らかにした。2012年4月の開局から9年連続の赤字となるが、今度もサービスを継続していくのだろうか。
この点について加藤氏は「単に利益だけを見ていない。スマホという5インチ前後の画面での放送としてトライしており、まだ続けていく。従来はドコモの番組だけだったが、他の放送会社の番組も拡充している。ただ、これで大幅増になる状況ではないので、注視しながら今後どうするかを検討したい」と語った。
また、料金の割引などを条件に各携帯キャリアが採用している、いわゆる“2年縛り”に対して、総務省が見直しを求めたことについては、「いくつかの案を検討中で方向性はまだ決まっていないが、できるだけお客様に納得いただけるものにしたい」とコメントした。
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