ニコ生:ミジンコの「お見合い」名場面集--占部教授の独占コメントも - 14/14

井指啓吾 (編集部)2015年07月25日 12時00分
――niconicoからオファーをもらった時はどのように感じましたか。

 最初は戸惑いました。ネット配信というものがどういうものかよく分からなかったためです。

 しかし、24時間(20時間)連続で配信するという企画そのものに、面白さ、興味を感じてお引き受けすることにしました。伝える内容も、信頼してほぼお任せいただいたことも、受諾した大きな理由の1つです。

 ただし、お引き受けする前に、生きた生物を顕微鏡映像として長時間きれいに提供できるか、また番組時にオスを用意できるかなど技術的な面で、多少の不安もありました。

――番組は盛り上がりました。

 ミジンコについて、なんとなく知っている方や、なんとなく興味のある方に興味を持っていただけたことを嬉しく思っています。生態学など、理系の学問は少し専門的すぎて一般の方にはハードルが高いかもしれません。

 しかし、導入さえ上手にもっていけば、話題や興味はすんなりと受け入れてくれるのだと感じました。反響があったとすれば、それは生き物の生態を知ることで、身近な自然や生物の面白さに興味をもってもらえたことではないかと思っています。

 視聴者の方から「無駄に知識が深くなった」という趣旨のコメントがありましたが、これこそ最大の成果だと思っています。どんなことでも知った当初は無駄に感じるのが知識ですので、いずれその無駄が間接的にでも生きてくることがあると期待しています。

――今後、このような取り組みをしていきたいですか。

 今回提供した内容は、大学の学生実験で行っていることや講義内容の一部でもあります。研究のアウトリーチや一般への質の良い教育や情報の提供方法として、形式にこだわらない、あるいは視聴者にとっては肩のこらないアプローチだと思い、可能性を感じました。 

 大学(や研究所)で行っている研究を、実況中継して、成果を“番組”としてやさしくかつ面白く伝えるのは、科学としてあるべき姿の1つなのかも知れません。

――研究科、大学側からの反響はありましたか。

 学生諸君や身近な同僚からは面白かったとの感想をたくさんいただきました。番組直後から出張だったため、学内での感想などはまだいただいていませんが、冒頭でも紹介したように、ネット配信というものがどういうものか知らない同僚や研究者も多いため、なんだか“怪しい番組”に出演したと感じている方もいるようです(私も当初はそう感じていましたので)。 

 大学の生き残りも厳しいと聞いています。また、研究に際しての倫理やコンプライアンスなども問題視されており、アウトリーチや情報公開は大学でも重用視されています。
このようなネット配信は大学からのいろいろなコンテンツを伝える強力な媒体になると感じました(おそらく大学の広報でもそう感じているのではないかと思います)。

◇「ダイオウグソクムシ」はこちら
仕掛け人は「2人」いた--“グソクブーム”誕生の舞台裏
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――niconicoからオファーをもらった時はどのように感じましたか。

 最初は戸惑いました。ネット配信というものがどういうものかよく分からなかったためです。

 しかし、24時間(20時間)連続で配信するという企画そのものに、面白さ、興味を感じてお引き受けすることにしました。伝える内容も、信頼してほぼお任せいただいたことも、受諾した大きな理由の1つです。

 ただし、お引き受けする前に、生きた生物を顕微鏡映像として長時間きれいに提供できるか、また番組時にオスを用意できるかなど技術的な面で、多少の不安もありました。

――番組は盛り上がりました。

 ミジンコについて、なんとなく知っている方や、なんとなく興味のある方に興味を持っていただけたことを嬉しく思っています。生態学など、理系の学問は少し専門的すぎて一般の方にはハードルが高いかもしれません。

 しかし、導入さえ上手にもっていけば、話題や興味はすんなりと受け入れてくれるのだと感じました。反響があったとすれば、それは生き物の生態を知ることで、身近な自然や生物の面白さに興味をもってもらえたことではないかと思っています。

 視聴者の方から「無駄に知識が深くなった」という趣旨のコメントがありましたが、これこそ最大の成果だと思っています。どんなことでも知った当初は無駄に感じるのが知識ですので、いずれその無駄が間接的にでも生きてくることがあると期待しています。

――今後、このような取り組みをしていきたいですか。

 今回提供した内容は、大学の学生実験で行っていることや講義内容の一部でもあります。研究のアウトリーチや一般への質の良い教育や情報の提供方法として、形式にこだわらない、あるいは視聴者にとっては肩のこらないアプローチだと思い、可能性を感じました。 

 大学(や研究所)で行っている研究を、実況中継して、成果を“番組”としてやさしくかつ面白く伝えるのは、科学としてあるべき姿の1つなのかも知れません。

――研究科、大学側からの反響はありましたか。

 学生諸君や身近な同僚からは面白かったとの感想をたくさんいただきました。番組直後から出張だったため、学内での感想などはまだいただいていませんが、冒頭でも紹介したように、ネット配信というものがどういうものか知らない同僚や研究者も多いため、なんだか“怪しい番組”に出演したと感じている方もいるようです(私も当初はそう感じていましたので)。 

 大学の生き残りも厳しいと聞いています。また、研究に際しての倫理やコンプライアンスなども問題視されており、アウトリーチや情報公開は大学でも重用視されています。
このようなネット配信は大学からのいろいろなコンテンツを伝える強力な媒体になると感じました(おそらく大学の広報でもそう感じているのではないかと思います)。

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