Googleの地図サービス「Google マップ」の日本提供10周年を記念したイベントが7月17日に開かれ、自民党の衆議院議員である福田峰之氏が、政治家のGoogle マップ活用方法について明かした。福田氏は内閣府大臣補佐官であり、IT戦略匿名委員会事務局長でもある。また、インターネット選挙の自民党の責任者も務めている。
2013年4月に公職選挙法が改正され、インターネットを使った選挙運動ができるようになったが、「私たち政治家が一番使っているのは、インターネットを使った広報よりも何よりも、実はGoogleマップだ」と福田氏は話す。
目的地の場所を調べることなどに加え、政治家特有の活用方法として「街中に掲示したポスターの管理」がある。福田氏によれば、Google マップが登場する以前は、紙の地図を使って、選挙区内の自分のポスターが貼ってある位置(福田氏の場合は1000カ所ほどとのこと)に印を付けて管理していた。しかし、ポスターを掲示していた空き地や農地にマンションが建つなどの理由で、ポスターの掲示場所が変わることもある。
ポスターの掲示場所が変わると、紙の地図上の「印」を付け直さなければならない。「(ポスターの掲示場所を地図に)塗って、修正液で消して、また塗って、というのがえらい大変」と当時を振り返る福田氏。「今はGoogleマップがないと(ポスターの位置に)たどり着けない」とも話した。
「FacebookやTwitterなどの広報戦略については、正直申し上げて、『そんなことやらなくたって俺は当選できる』という自民党の先輩議員がたくさんいらっしゃる。しかし事務的な領域については、こうしたマップを使って、ポスターの位置や訪問先の確認などで、ほとんどの人がお世話になっていると思う。これを使わないでやるというのは私には考えられない。それくらい、私たちの政治の世界は、Googleマップにお世話になっている」(福田氏)。
Googleでは、2011年3月11日の東日本大震災で被災した地域への復興支援の取り組みとして、震災前後のストリートビュー画像や航空写真を公開し、街が復興していく様子を伝えている。
これについて福田氏は、「東日本大震災の復興予算は、(国民の)皆さんの税金に特別に付加させていただいたもので、私たちはそれを使わさせていただいている。そのため、被災した街が復興してどういう形で変わっていったかを、本来は政府が説明責任を果たさなければならないと思う。しかし、(復興の様子を伝えることをGoogleに)やっていただけるんだから、こんなにありがたいことはない」とコメント。
その上で、「私たちはそこは感謝を申し上げて、これからGoogleマップの未来を、私たちも一緒に見定めていくことができたら、ありがたい」と思いを語った。
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