Googleは最新の透明性レポートで、欧州の検索結果の削除リクエストについて詳細を明らかにした。レポートによると、Googleがこれまでに削除のために評価したURLは102万7495件で、そのうち実際に削除したものが41.3%、削除しなかったものは58.7%であったという。Googleは2014年5月に、「忘れられる権利」に基づくURL削除リクエストの受付を開始している。
Googleが削除に同意したリンクの割合は、要請を受けた全URLの約3分の1を削除するようになった2014年10月以降、大幅に上昇している。
Googleがこれまでに受けた削除要請の件数は28万2508件にのぼり、その大半はフランス、ドイツ、英国、スペイン、イタリアから寄せられたものだ。
Googleは「忘れられる権利」に否定的であり、欧州の一部で求められてきた「google.com」ドメインの削除を適用することを拒否している。現時点で削除が適用されているのは「google.fr」や「google.co.uk」といった欧州各国のローカルドメインのみだ。
フランスのデータ保護機関であるCNIL(情報処理及び自由に関する全国委員会)は6月、「忘れられる権利」が効力を持つためには、Googleの全ドメインから検索結果を削除すべきだとして同社に通告した。15日以内に変更を実施しない場合、Googleに対する制裁を勧告する可能性があるとしていた。
Googleの今回のレポートによると、欧州ではフランスからの要請が最も多く、同国から受けた削除要請の総数は5万8487件、個人から削除を求められたURLは19万7593件にのぼった。このうちGoogleが実際に削除したのは47.7%で、削除しなかったものは52.3%だった。ドイツから受けた削除要請の総数は4万8084件、個人からのURL削除リクエスト総数は18万4737件だった。
また、実際に削除した中で最も多かったのはfacebook.comへのリンクで、Googleの検索結果から削除された同サイトのURLは8016件にのぼった。
しかし、「忘れられる権利」による削除要請は、著作権による削除要請に比べるとはるかに少ない。Googleはこれまで著作権侵害の主張に基づき900万件以上のURLを削除している。
Googleが最新のレポートを公開する1週間前には、ロシアでも独自の「忘れられる権利」を保護する法案が可決されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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