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中国DJIが世界のドローン市場で圧倒的シェアを占める理由

細谷元(編集協力:岡徳之)2015年07月13日 08時00分
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 本連載の第1回目で、世界のドローン市場が今後年率換算100%以上で伸びるとお伝えした。盛り上がりをみせるドローン市場の急先鋒は中国・深センのドローンメーカーDJIだ。ロイター通信が報じたところでは、DJIは世界のコマーシャルドローン市場の70%を占めるという。

 そこで今回はDJIの最新モデル「Phantom3」や「Inspire1」を紹介しながら、同社のドローンがなぜ人気なのかを考察する。

ハイクオリティな映像と安定的な飛行で顧客の心をつかんだDJIのドローン


シンガポールで開催されたドローン展示会「UAV Show Asia 2015」のDJIブース(筆者撮影)

 DJIの主力モデルは「Phantom」。Phantom1の発表は2013年1月、そして同年立て続けにPhantom2シリーズも発表している。

 Phantom1はGoProカメラを搭載し、手軽に空撮ができるモデルとして注目を集めたが、恐らくより注目を集めたのが「Phantom2 Vision+」だ。Phantom2シリーズは「Phantom2」「Phantom2 Vision」「Phantom2 Vision+」の3モデルが販売されている。Vision+が画期的だったのは電子制御3軸ジンバル付きのカメラが搭載されたこと。ジンバルが搭載されたことで、誰でも滑らかな空撮映像を撮影できるようになった。

 ジンバルなしでは映像が揺れてしまい、メディアなどプロの現場で使うには難しかったはずだ。Vision+の欠点は魚眼レンズで撮影したように映像の端が歪んでしまうことだったが、後継機のPhantom3では大幅に改善されている。

 2015年5月頃から販売が開始されたPhantom3。前モデルの評判に加え大幅なアップデートがあったため、販売当初は事前予約なしでは入手が非常に難しかった。筆者が住むシンガポールでも、Phantom3を探し複数の店を回りやっと見つけた。

 Phantom3は「Advanced」「Professional」の2モデルがある。2モデルの大きな違いは、前者の画質が1080pに限定される一方で、後者が4Kで撮影できることだ。価格はAdvancedが約14万円、Professionalが約17万5000円。ちなみに筆者はProfessionalユーザーだ。安い値段とは言えないが、4K映像の美しさ、持ち運びやすさ、そしてテスト飛行体験で、購入を決めた。2015年5月時点で20万円以内で4Kの空撮映像が撮影でき、かつすぐに入手できるドローンはPhantom3 Professionalのみだったということも購入を決めた要因になった。


Phantom3 Professional(筆者撮影)

 専用コントローラーにスマートフォンを接続し、専用アプリ「DJI Pilot」を起動して操縦する。スマホの画面にはリアルタイムの映像が映し出される。アプリ上で、カメラのシャッタースピード、ISO、ファイル形式、ホワイトバランスなどを簡単に調整できる。

 動画は自動モードと手動モードでの撮影が可能だ。自動モードは、撮影シーンの光量に応じて、ISOとシャッタースピードを調整してくれる。また自動モードでもコントローラー右上のダイヤルでEV値を調整できる。これは明るい空と影の色が濃いコントラストの強い場所を撮影するときに非常に役立つ。このようなシーンでは、EV値をマイナス0.3~マイナス1で調整することで、空が白飛びするのを回避できる。

 静止画撮影ではRAW・DNGを選択でき、通常のJPEG画像よりも広いダイナミックレンジで撮影できる。以下2枚は、ISO100、シャッタースピード1/370、EV値マイナス0.3で撮影した写真の編集前と後だが、ダイナミックレンジの広さを実感してもらえると思う。


編集前の写真

編集後の写真

 DJIのドローンに標準装備されているリターンホーム(RH機能)は非常に役立つ。これはドローンのバッテリ残量が減ってくると、安全のため自動で帰還する機能だ。この機能は、視界からドローンが消えてしまったときも大変助かる。筆者は一度、山でドローンを飛ばしたことがあるが、かなりの強風で流されてしまい、ドローンが行方不明になりそうになったことがある。しかし、RH機能を発動したことで、ドローンは無事に戻ってきた。

 PhantomがDJIのエントリーモデルとすれば、2014年末に発表されたInspire1はミッドレンジに位置付けられる。価格は40万円前後とPhantomシリーズに比べ少し高めだが、本格的な空撮プロが使用するモデル「S1000(約60万円)」に比べれば安い。上位モデルであるSシリーズにはカメラはついておらず、通常一眼レフなど本格カメラを搭載して飛ばす。


「UAV SHow Asia 2015」のDJIブースに展示されていたInspire1

 Inspire1とPhantomシリーズの違いは、安定感とカメラアングルの広さだろう。Inspire1はPhantomに比べ、機体とプロペラサイズが大きいため、より安定した飛行が可能だ。また、離陸後に足を上げることができるため、機体の方向を維持したままカメラアングルを横に360度回転させることができる。縦にはマイナス90度~プラス30度で稼働することが可能だ。Phantom3は足が上がらないため、カメラをパン(振る)したいときは、機体の方向を変える必要がある。ただ、スピードコントロールが難しく、Phantomで上手にパンするにはそれなりの練習が必要になる。Inspire1のほうがカメラコントロールしやすいといえるだろう。

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