創業者であり、RapplerのCEOを務めるのは、大手ケーブルテレビ向けのニュース専門放送局 CNNの東南アジア各国にある各支局で25年以上に渡って活躍したMaria Ressa氏。根っからのジャーナリストである。
大学院時代に政治学を専攻し、専門はテロリズム報道だった。その後、CNNに入社し、フィリピン支局に記者として8年間、インドネシア支局に支局長として5年間在籍。東南アジアの他にも、パキスタン、インド、米国などをカバーすることもあった。
CNNを退職後、フィリピンのケーブルテレビ向けのニュース専門放送局 ABS-CBNでニュースキャスターを務めながらフィリピンの国立大のトップ校であるフィリピン大学ディマリン校でブロードキャスティング、米国のプリンストン大学では東南アジアにおける政治学とジャーナリズムの分野で教鞭を振るった。
そんな報道の第一線で活躍し続けてきたMaria氏が「ジャーナリズムは今後、必ず視聴者参加型に変化していく」と考え、立ち上げたのがRapplerだった。彼女は過去の取材でこう語っている。
「テロリストはソーシャルメディアを使うことで自分たちのイデオロギーを世界中の人々に拡散しています。私はこの仕組みを、市民が意志を主張するために活用できるのではないかと考えました。ソーシャルプラットフォームであるRapplerを国民の意見をパブリックに反映させる場所にしていきたいのです。そうした役割を担うことで、物事をより良い方向へ動かすアクションを促すことができると考えています」
創業者メンバーには、Maria氏の他にも大手メディア出身者が多く名を連ねる。東南アジアの第一線で活躍してきた報道記者たちが、彼女のこの確固たるビジョンに感化され、共にRapplerを作っているのだ。
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