実名制のグルメ情報アプリ「Retty」を運営するRettyは、7月2日に事業戦略発表会を開催し、最新の実績や今後の戦略を発表。主要エリアの月間口コミ投稿数で、「食べログ」を抜いたことを明らかにした。また、1000万ユーザーを超えたことも発表した。
Rettyは、Facebookアカウントなどでログインすることで、実名の口コミ情報が集まるスマートフォン向けのグルメサービス。2011年6月にサービスを開始し、約4年間で1000万ユーザーを超えた。現在は月間で100万人ずつユーザーが増加しているという。6月末には飲食店ネット予約サービス「LINE グルメ予約」のパートナーにも選ばれた。
同日の発表会では、東京における口コミサイトの投稿数の推移が紹介された。同社ではサービス名の言及を避けたが「国内最大手の口コミサービス」、つまり「食べログ」の投稿数を超えたことを明らかにした。RettyのCFOである奥田健太氏は、「一番お店に出会いやすいサービスになった」と胸を張る。
なぜ、Rettyは支持されているのか。この点について奥田氏は、従来の口コミサイトでは「味や店の好みは人それぞれなのにも関わらず、同じランキングを見るしかなかった」と指摘。友人のおすすめ情報などから、個々に最適化された飲食店情報を得られる点がRettyは優れており、多くのユーザーに評価されたと強調した。
同日にはRetty代表取締役の武田和也氏によって、短期戦略と中長期戦略がそれぞれ語られた。まず、短期戦略では大きく3つの取り組みを発表。1つ目が、サービスロゴの刷新だ。今後は世界展開を本格化させることから、グローバルで受け入れられるロゴへと変更するという。
2つ目が、Rettyに蓄積された70万件近い飲食店データベースのオープン化。閉店や電話番号の変更など、飲食店の情報は年間に10%近く入れ替わると言われており、特に飲食店の情報を取り扱う会社やサービスは、常に最新の店舗情報を保有しておく必要がある。
そこで、今後はRettyに登録された飲食店の電話番号や営業時間などの情報を開放していく。まずは、グルメ番組などを放送するテレビ局や、飲食店にさまざまな銘柄を提供しているビール会社など、一部のパートナー向けに公開するという。今後はクレジットカード会社などにも領域を広げたいとしている。
3つ目が飲食店向けの有料の管理ツールの提供だ。有料会員となった店舗は、ツールを使ってアクセス解析をしたり、口コミを投稿したユーザーに対してお礼のメッセージを送ったりできるようになる。すでに数百店舗にベータ版を提供しているという。
中長期戦略では、東京オリンピックが開催される2020年に向けて「食」で世界を感動させることを目標に掲げた。現在は月に100万人のペースでユーザーが増えているが、今後5年間でアジアや欧米など最低20カ国に展開し、2020年時点で世界1億人に利用されるサービスを目指す。また今後、数年以内に上場する計画も明らかにした。
訪日外国人向けのサービスも用意する。東京は世界一レストランが密集している都市であり、ミシュランの三ツ星レストランの数でも、フランスを押さえてトップとなっている。また、多くの外国人が日本に期待することとして日本食を挙げているという。そのため、今後は地元(日本)の人が外国人にお勧めしたい店や、日本に住む外国人がお勧めする店なども紹介していきたいとした。
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