Piper JaffrayのアナリストGene Munster氏が米国時間6月30日遅くにリリースされた投資家向けメモの中で述べたところによると、2016年、「Apple Music」がAppleの売上高にもたらす金額は1%以下(約18億ドル)になる見通しだという。それは、Apple Musicの有料会員ベースがSpotifyと同規模の1500万人に達した場合に限っての予想で、Munster氏はそれが実現する可能性はかなり低いと考えている。
Appleは30日、正式にApple Musicの提供を開始した。Apple Musicは新しい音楽ストリーミングサービスで、「音楽エキスパート」が作成したプレイリストや、毎日24時間放送されるラジオステーション「Beats 1」、アーティストとファンをつなぐ「Connect」と呼ばれるソーシャル機能が含まれる。利用料金は、個人向けプランが月額9.99ドル、ファミリープランが14.99ドルで、最初の3カ月は無料で利用できる。
Appleは必ずしも多額の利益を上げることを目指して、個々の新しい製品やサービスを発表するわけではない。その代わりに、新しい製品やサービスはユーザーをAppleエコシステムに呼び込む手段だと考えている。Munster氏が言うところの「魅力的な音楽体験」を提供することで、Appleはより多くの「iPhone」を販売したいと考えている。iPhoneの販売台数が増えれば、「iTunes」からアイテムを購入するユーザーも増え、もしかするとAppleのほかの製品やサービスを購入するユーザーも増加するかもしれない。
「Apple Musicが重要なのは、音楽が携帯電話体験の基礎をなすものだからだ。興味深いことに、Apple Musicは『Android』や『Windows』にも提供される予定である。このことは、売り上げの観点から見ると重要ではないが、Appleが競合プラットフォームのユーザーにiPhoneへの乗り換えを促す助けにはなるかもしれない」(Munster氏)
Munster氏はApple MusicをB+と評価した。ストリーミングラジオやiTunesとの円滑な統合、追加オプションのBeats 1ライブラジオステーションについては、広告通りの体験を提供していると感じた、と同氏は述べた。
「われわれが批判したい唯一のことは、過去の『Beats』やSpotify、Songzaといったほかの音楽ストリーミングサービスが備える動的なプレイリスト作成オプションが『Apple Music 1.0』には搭載されていないことだ。ついでに述べておくと、多くのユーザーと同様、われわれも『iCloud Music Library can't be enabled』(『iCloud Music Library』が有効化できない)というエラーメッセージに遭遇し、ストリーミング楽曲を『My Music』に追加できなくなった。iCloud Music Libraryのオンとオフの切り替えを5回実行したら、ストリーミングアルバムをMy Musicに追加できるようになった」(Munster氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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