セイコーエプソンとエプソン販売は6月23日、ウェアラブル端末「MOVERIO(モベリオ)」の新製品として、法人向け業務用スマートヘッドセット「MOVERIO Pro BT-2000」を9月に発売すると発表した。
MOVERIO Proは、同社が2011年から展開しているコンシューマ向けスマートグラス「MOVERIO」から得られたフィードバックをもとに、業務用途に求められる機能や高精度センサ、IP54準拠の防水・防塵性能を盛り込んだウェアラブル端末。コンシューマ向けは耳にかけて鼻で支えるタイプのメガネ型端末だが、業務用のMOVERIO Proは長時間装用を想定して、重量バランスに配慮し頭全体で端末をホールドするヘッドセット型端末にしたという。
ディスプレイはコンシューマ向けと同様に、両眼シースルー構造で周囲を確認しながら映像を見ることが可能。投影される映像は4メートル先に64型相当の画面があるように視認され、周囲の物体と交互に見た際にも眼のピント調整は最小限で済む。
映像はQHD(960×540)のフルカラー(約1677万色)で表示され、さまざまな作業環境に対応するため最高輝度をコンシューマ向けより約1.5倍明るくしている。一方で、照度センサを搭載しており、暗い作業環境でも自動的に最適な輝度を調節できるという。
また、本体には500万画素の2眼ステレオカメラを搭載し、物体の深度測定や3D映像の撮影ができるほか、内蔵しているWi-Fi通信機能により作業者が遠隔地のオペレータに映像を送信したり、オペレータがリアルタイムに情報を送信して作業指示を出したりすることが可能。加えて、ジャイロセンサ、加速度センサ、GPSセンサ、地磁気センサ、頭の向きを測るIMU(慣性計測ユニット)により作業者の動きや移動距離、移動速度を正確に計測、屋内ナビゲーションや行動ログの取得を高精度で行うことができるという。
本体操作は付属のコントローラで行えるほか、40種類の音声コマンド入力にも対応している。バッテリは2つ搭載し、約4時間の駆動が可能。ホットスワップに対応しており、2つの電池を交互に交換しながら長時間の使用ができるという。本体重量は約290gで、コントローラはバッテリー2個を搭載した状態で約365g。
販売にあたってはシステムインテグレータなどパートナーとの協業を中心に進めていく。また、アプリケーション開発者向けのハードウェア仕様書やアプリケーション開発ガイド、開発者キット(SDK)を公開し、作業現場の個別ニーズに合わせたアプリケーション開発を支援していく。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス