写真、ウェブサイト、製品などのアイテムを仮想ボードに「ピン留め」して他のユーザーに公開できるデジタルスクラップブックサイトで人気を集めているPinterestが待望の購入ボタンを発表し、ついにEコマース戦争に参入する。
Pinterestは米国時間6月2日、「Buyable Pins」機能を発表した。これにより近日中に、青色の「Buy it」(購入)ボタンをタップして「Apple Pay」またはクレジットカードを利用することで、Pinterestから製品を直接購入できるようになる。ユーザーは、200万の「ピン留めされた」製品から選択できるという。これらの製品のページでは、赤色の「Pin it」(ピン)ボタンの隣に新しいボタンが表示される。
Pinterestの最高経営責任者(CEO)を務めるBen Silbermann氏は、この機能を2015年6月中に公開するとサンフランシスコの同社本社で開催されたイベントで述べた。Pinterestは、Macy's、Nordstrom、Nieman Marcusなどの大手小売業者から、SOBUやMadesmithなどの比較的知られていない小売業者まで、さまざまなブランドと提携している。Pinterestのアクティブユーザー7000万人のうち、80%はモバイルデバイスで同サイトにアクセスしており、需要があるのは明らかだとSilbermann氏は述べた。
「ピナー(Pinterestユーザー)たちが次に何を求めるかは、極めて明白だった。人々は、Pinterestで物を買いたいと考えている」(Silbermann氏)
この新機能は、当初は「iPhone」と「iPad」向けのアプリで提供され、その後にGoogleの「Android」OS搭載デバイス向けに提供される予定だが、ショッピングハブになることを目指すPinterestが以前から待ち望んでいた試みだ。デジタル調査会社Millward Brown Digitalによると、Pinterestのアクティブユーザーのうち93%はPinterestを利用して購入計画を立てていると答え、87%はPinterestを見て何かを購入したことがあると答えたという。
Pinterestは2015年に入り、売り上げを伸ばす戦略と思われる取り組みとして、サードパーティーのマーケティングネットワークへのリンクを削除し始めた。Pinterestの評価額は110億ドルとされており、ユーザーが同サイトに保存しているピンは500億を超える。
なお、Buyable Pins機能の発表より約1週間早い5月27日には、Googleがモバイル検索結果に購入ボタンを追加すると発表していた。
Pinterestで製品マネージャーを務めるMichael Yamartino氏によると、同サイトで製品を購入する際に追加手数料はかからないという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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