ダイエット家庭教師サービス「FiNC」などを運営するFiNCと、日本交通、吉野家ホールディングス、リンクアンドモチベーションは5月18日、従業員の心と身体の“健康”を重要な経営資源として捉え、その増進に取り組む「ウェルネス経営」と、その推進役となるChief Wellness Officer(CWO)制度を導入すると発表した。
FiNCは、遺伝子検査や血液検査、150種類もの生活習慣アンケートの結果を分析して、最適なダイエットプランを提案してくれるスマートフォン向けのサービス。検査結果をもとに60日間で食習慣や体質の改善を図る。料金は9万8000円(税別)から。同社では、2014年12月から法人向けサービス「ウェルネス経営ソリューション」を提供しているが、さらに一歩踏み込み、各社と連携することで、社会全体にウェルネス経営を浸透させたい考えだ。
今回の取り組みで各社は、経営理念に合わせてウェルネス経営の戦略を設計し、施策を立案・実行する責任者であるCWOを社内に設ける。日本交通は、タクシーとハイヤーの両部門にCWOを設置し、個人と組織の健康状態を把握。吉野家はCWOの設置により、従業員の健康状態を把握するだけでなく、食事にくる顧客の生活習慣改善サポートも進めるという。また、リンクアンドモチベーションは、専門部署「ウェルネスマネジメントユニット」を設け、CWOの指示もと取り組みを推進しているそうだ。
各社はFiNCのソリューションも導入する。FiNCではまず生活習慣や食習慣に関する診断「ウェルネスサーベイ」を1人3000~4000円で実施。その結果をもとに、最適なソリューションを提供している。リンクアンドモチベーションはすでに社内でソリューションを導入し、一定の効果が出ているという。また、吉野家は一部の社員からウェルネスサーベイを実施しており、今後ソリューションを導入。日本交通は、これから一部の社員向けにウェルネスサーベイを実施するとしている。なお、料金は一般ユーザー向けよりも安価になるという。
同日の記者発表会で登壇したFiNC代表取締役CEOの溝口勇児氏は、現代の社会や企業における問題として、(1)うつや休職者など不調者の増加、(2)労働人口の減少による優秀な人材確保の難化、(3)不調者の増加による国民医療費の拡大、(4)高齢者従業員比率の増加、の4点を挙げる。また、企業はこれまでも健康診断や残業時間の見直しなどの対策を講じているが、抜本的な解決には至っていないと指摘した。
同氏がその解決策として提案するのが、ICTとパーソナルデータを掛け合わせたFiNCによって、従業員1人ひとりにあった健康管理サービスや、企業向けの分析ツールを提供すること。それによって、(1)企業ブランド向上による「競争力の増加」や、(2)休職にともなう人件費や、医療費などの「コスト削減」、(3)生産性があがることによる「業績の向上」などが期待できるとした。
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