本書でいう「ゲーム」とは、単純なゲームではなく、戦略的な作戦が必要とされるような、複雑なシナリオがあるゲームのことだ。何日もかけ、戦略を考えて取り組むようなゲームを真剣にやるゲーマーは、プロジェクトを動かす仕事のみならず、会社の経営にも向いていると考える人は多いようだ。
本書は4Gamers.netで連載されていたインタビューをまとめたものだが、ニコニコ動画などを運営しているドワンゴの代表取締役会長の川上量生氏を中心に、会社のサービスの歴史、裏側、イベントの実際などが存分に語られており、興味深い。
連載をまとめた書籍であるとはいえ、その分量には圧倒される。インタビューでこれほどの情報量の書籍は珍しい。その分、取り上げられている話題も多く、ニコニコ動画のサービスそのものについて、有料と無料のジレンマが深く語られていたり、初めてのニコニコ超会議がいかに危ういスケジュールで実施されたものであったかが赤裸々に語られていたりと、読んでいるだけでハラハラしてしまう綱渡りの様子が伝わってくる。
ドワンゴは、今でこそ有名企業だが、最初からそうだったわけではない。その過程を、ぶっちゃけた対談で読めるのはとても面白い。自分も何か情熱を持ってやりたい衝動に駆られるのは間違いない。
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