環境問題、品質管理、情報開示、コンプライアンス、個人情報などなど……近年、会社経営者に求められるニーズは多様化、複雑化、拡大の一途を辿り、1人のリーダーで対処するのが難しい状況となっている。
そこで、適切な経営リーダーチームを組織し、チームのポテンシャルを最大限に引き出すための方法を、具体的な事例を挙げながら提案しているのが本書である。
執筆にあたったのはベテランコンサルタントの2人、チームとリーダーシップについて研究と教育をしてきた2人の学者である。
その豊かな経験と学識に裏付けされた方法論は非常に具体的かつ明確。面白いのは、強い個性を持つメンバーの扱い方や、チームを崩壊に追い込む可能性のある撹乱分子の見つけ方、はたまたチームを運営すると必ず起こるメンバー内での誤解、不満などへの対処方法など、人間的な部分を取り上げて分析し、解決方法を提案しているところだ。
これまでの経営指南本は、カリスマ的な経営者の手法、手腕の事例を紹介するものが多かったが、本書ではチームによる経営をより効果的にするためのノウハウを提供しており、ほかの指南本とは一線を画している。
そもそも自分の会社にチームは必要か? 経営会議がうまくいかない……といった基本的な悩みを持つ経営者にもオススメ。新たな視点を欲する全ての経営者にヒントを与える1冊となっている。
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