配車サービスのUberが、Nokiaの地図サービス「HERE」をめぐる争奪戦に名乗り出た。Uberは、最大30億ドルでの買収を提示しているという。The New York Times(NYT)が報じた。
NYTのMark Scott、Mike Isaacの両氏は米国時間5月7日の記事で、この件に詳しい3人の匿名情報筋の話として、Uberが既にこの買収金額を提示したと報じた。
Nokiaは2014年4月、携帯端末製造事業を72億ドルでMicrosoftに売却したが、地図サービス「HERE」は、その後も同社に残された3つの事業のうちの1つ。2015年4月、Nokiaは今後の戦略を見直す中で、HEREの売却を検討中であることを認めていた。
Uberの買収提案の報道に先立ち、The Wall Street Journal(WSJ)は今週、Audi、BMW、Mercedes-Benzを含むドイツの自動車メーカー数社が、中国の検索企業Baidu(バイドゥ)の支援を受け、NokiaのHERE事業の買収に向けてコンソーシアムを結成したと報じたばかりだった。
WSJのWilliam Boston、Ilka Kopplinの両氏は記事の中で、今回の動きは、シリコンバレーの企業に自立走行車の未来を牛耳られまいとするドイツの企業連合が防御策に打って出たものであると示唆している。カリフォルニアを拠点とするインターネット大手Googleは、この分野を目標に掲げ、大きく先行している。
サンフランシスコを拠点とするUberは、自立走行車の開発を開始したところであり、ペンシルバニア州ピッツバーグにUber Advanced Technologies Centreを設立する目的で、2月にカーネギーメロン大学と戦略的提携を結んでいる。
同社はこのとき、このセンターが手がける事業の一環として、研究者らは今後、無人自動車の開発とともに、自動車の安全技術の開発も目指すと示唆していた。
NYTによると、情報筋は、Nokiaの地図サービスの売却をめぐる交渉が継続中であること、また買収が成立しない可能性があることも示唆したという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」