Uberがフランスとドイツ、スペインで攻勢に転じている。配車サービスのUberは、同社のサービスの一部を禁止しようとする試みは欧州連合(EU)の法律に違反するとして、それら3カ国の政府を提訴した。
Uberは声明の中で、同社のサービスを統制するのは個々の国家ではなくEUであるべきだ、と述べた。
UberでEMEA(欧州、中東、アフリカ)におけるパブリックポリシーを統括するMark McGann氏は、「これは単一の市場であるべきだ。実際には、当社に対する扱いは、国によって全く異なる。個々の国家内でも全く異なることがある」と述べた。
スマートフォンアプリ経由で乗客とドライバーをつなぐ配車サービスの拡大を目指す同社は、世界中の国々を相手に戦いを繰り広げており、Uberと欧州の国々の争いはその最新の事例である。多くの国で、同社は現地政府に営業許可を求める前に開業している。
その攻撃的な戦略が功を奏して、Uberは2009年の創設以降、サンフランシスコの小規模な新興企業から多国籍サービスへと成長した。
Uberは現在、EU加盟国28カ国中19カ国で営業しており、2015年夏までにさらに7カ国に進出する計画を立てている。Uberは英国やベルギー、オランダで政府関係者と衝突してきたが、フランスとドイツ、スペインでは完全に暗礁に乗り上げている。
スペインの判事は2014年12月、Uberのドライバーがサービスを行うための正式な許可を受けておらず、許可を受けているタクシーの運転手と不当に競合しているとして、Uberに同国でのすべての営業を停止するよう命じた。フランスの国民議会は2014年9月、輸送サービスがGPSシステムを使って、近くのハイヤー車両をユーザーに知らせることを禁止する法案に署名し、事実上、Uberのサービスを提供できないようにした。3人の判事で構成されるドイツの裁判所は2015年3月、Uberの低価格サービスを全国で禁止した。
Uberは3月30日にスペイン、1月にフランス、2月にドイツをそれぞれ提訴した。UberはブリュッセルのEU本部に提出した訴状の中で、同社サービスに対する禁止命令が違法である理由について、自らの立場を説明している。Uberの主張の拠り所になっているのが、これは交通やタクシーのサービスではなく、技術事業であるという考え方だ。
Uberがもう1つ展開しているのは、EUに属している国同士であるにも関わらず、各国が個別に禁止措置をとるのは不適切だという主張だ。EUの法律では、すべての交通機関が平等に扱われ、新サービスの提供が許される限りにおいて、それぞれの国で自国の交通ポリシーを管理できることになっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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