「グレーならやっちゃえ」--シェアリングエコノミーの可能性にお墨付き - (page 2)

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シェアリングエコノミーはオリンピックを控える日本にも有効

 こういったシェアリングエコノミーのビジネスは、日本国内でも果たして成立あるいは成長するのだろうか。ふくだ氏は「育つか育たないかで言ったら、育つ」と言い切る。これまでは既存業態のホテルにしろ、タクシーにしろ、利用者保護のためにその信頼を免許制度や規制などによって国が担保してきた。しかしインターネットの進化がこの先さらに拡大すれば、その役割は国ではなくてもいいのでは、という声も当然上がってくるだろうと話す。「信頼が担保される仕組みさえ整えば、シェアリングエコノミーは間違いなく育つ」というのが同氏の見方だ。


衆議院議員 ふくだ峰行氏

 ただし、それにはもう1つ前置きが必要だ。信頼の担保や評価を国以外が行うことになると、「根本的に経済の仕組みが変わる」と同氏は警告する。民間企業や一般ユーザーの間で評価し合うことになると、何らかのトラブルが発生した際に、公平な判断を求めて訴える場所がない状況にもなりかねない。「公園のブランコでケガをすると国に文句を言ってくる人がいるが、利用者サイドも、このようになんでも公的機関の責任にしようという考え方を捨ててもらわないといけない。シェアリングエコノミーでは訴える場所がないのだから」と語り、利用者側の意識改革も必要になってくるとした。

 とはいえ、観光客が増加傾向にあり、2020年にはオリンピック開催も控える日本にとって、宿泊場所の確保は喫緊の課題でもある。ふくだ氏は「政府は2000万人、3000万人(の観光客誘致に取り組む)と言っているが、本当に3000万人が来た時に現状の施設だけで対応できるのか」と疑問を投げかけるとともに、この状況は逆にチャンスだとも話す。主要な観光都市以外の地方は、宿泊施設もタクシーも少なく、そのような地域から始めるのであれば既存業態のビジネスとぶつからずにうまく共存できるのではないかとアドバイスした。

違法か合法か、「グレーならやっちゃえ」

 その一方で、Airbnbのようなサービスについては、安全性などの観点から宿泊施設としての基準が定められた日本の旅館業法に沿っているのかどうかが問われた。また、Lyftのようなサービスについては、ビジネスとして展開する以上、禁止行為であるいわゆる「白タク」の問題が大きな壁となる。つまり、日本国内で本格的にシェアリングエコノミーに関わるサービスを展開しようとする際には、既存の法規制の壁に阻まれることが多くあり、「規制の問題をどうクリアしていくべきか」(井上氏)は起業家にとって気になるところだ。

 これについてふくだ氏は、「日本人的な“マインド”も(問題として)ある。まず役所でルールを決めてください、その中でビジネスをします、という人が非常に多い」と語る。日本人はその感覚を変えることが重要だとし、「グレーならやっちゃえ」というのが、起業家として持っているべき思考の仕方だと述べた。「グレーならやっちゃえ」の思考は、実はLyftにもあった。ジョン・ジマー氏によれば、Lyftの創業当時はUberと同じようにタクシーを派遣するビジネスだったが、その後個人のクルマを使用したビジネスを思いついた際に、役人に確認してみると「グレー」との返答があったことからサービスを立ち上げることにしたのだという。


Lyftのジョン・ジマー氏

 スタートから1カ月後に当局から中止を求める通知があり、サービスの存続に関わる危機的な状況に陥ったが、Lyftは単に反発するのではなく、規制する根本の理由がどこにあるのかを確認した。それが安全性に関するものであったことから、Lyftが構築している安全性の高い仕組みを証明し、当局が認知していなかった部分についても主張するなどして、時間をかけて解決への正しい道筋を作ることができたのだという。

 ふくだ氏も「(国が)むやみに作っている規制というものはない。理由がある」と同調する。その理由をしっかり踏まえ、代替案を提案することが重要であり、現実的なプロセスで進めることで規制を緩める理由にもなると話す。また、「(規制は)けしからんから改革しろと精神論で言ってもうまくいかない。そういう人はだいたいビジネスには向かない」と切り捨てた。

 最後、井上氏がシェアリングエコノミーについて、規制に対する課題や信頼性の担保における問題などがありながらも、ポテンシャルの高いマーケットであり、起業にあたってはマインドが重要だろうと総括。ビジネスを進めるうえで問題にぶつかった時は「相談してもいいですか」と問うと、ふくだ氏は「もちろん」と即答。「重要なのは、企業が儲かってもらうこと。儲からないと社会保障や社会的弱者にお金が回らない。どんどん儲けてしっかり税金を払ってもらう」と、起業を目指す人にエールを送った。

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