法規制や代替コインは--各国のプラットフォーマーが語る「ビットコイン」 - (page 2)

代替コインは「未来がないかもしれない」

 数億ドル分ものビットコインが“消えた”マウントゴックスの事件もまだ記憶に新しく、デジタル通貨としてのメリットはたしかにありながらも、スマント・マンダル氏が市場としては「時期尚早ではないか」と語った点、そして法規制の問題もあり、ビットコインが世界的に一般化するにはまだ課題も多いことが分かる。その点に不安を感じたのか、来場者からも「今後どういう流れで普及していくのか」といった主旨の質問がなされた。

 ジェレミー・アレアー氏は、「政府のデジタル通貨に対する規制はゆっくり進行していくと思う」と話し、「その先数年間はある程度一貫性、整合性が先進国で見られ、デジタル通貨に携わるオペレーターがどういった法律に遵守すべきかは、ある程度明確になってくるのでは」と、やや歯切れの悪い回答。

 しかしながら、「Financial Action Task Force(FATAF)という組織が、資金洗浄、資金の不正処理に関するガイドラインを設けようとしており、各国に対して提言をしている。そう遠くない将来にデジタル通貨を扱う際の統一された規制の整合性が図られるかもしれない」とも述べ、そのタイミングは3~5年先になるのではないか、とコメントした。

 代替コインと呼ばれる、ビットコインとは異なるデジタル通貨に関する質問もあった。ジェシー・パウエル氏は、Krakenでさまざまなデジタル通貨を取り扱っているものの、多くがその時価総額を大きく目減りさせており、代替コインからビットコインに注目が移ってきていると話す。さらに、「代替コインはあまり未来がないかもしれない」とも発言。「代替コインは大きな技術的な躍進がないといけない。その点でビットコインははるかに先を行っている。ユーザーのマインドシェア的にもビットコインが上なので、追いつくのは難しいのではないか」と見る。

 最後にまとめとしてコメントを求められると、ジェレミー・アレアー氏は、「Circleを立ち上げたとき、ビットコインのブロックチェーンテクノロジという技術的なイノベーションに、HTTPなどと同じような未来と躍進力があると感じた。20年後はグローバルな通貨プラットフォームになる」と力強くアピール。マイケル・ダンワース氏も、「ビットコインには大きな可能性がある。将来的に多くの人の生活に大きなインパクトをもたらす。学習する価値はある」と将来性を約束した。

 加納氏は「ビットコインはマウントゴックスじゃない。これだけは言いたかった」と一言。マウントゴックスの事件がやり玉に挙げられがちなビットコインではあるが、あくまでもマウントゴックスという企業単体の問題であり、それに惑わされることなくビットコインの魅力や将来性を見てほしいというメッセージを込めた。

 やはり「まだまだ早い時期にあると思う」としながらも、将来的には「創造しえない大きなインパクトをもたらすだろう」とスマント・マンダル氏は予測。ジェシー・パウエル氏は「ニワトリが先か、卵が先かの問題ではあるが、メールと同じように多くの人が使って初めて意味がある」と述べ、友人らにも勧めるなど、ビットコインの普及に向けた地道な協力を来場者に求めた。

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